前回のエントリ でプレキャンペーンに参加した青ブタコラボ企画 「青春ブタ野郎は大垣の街をまだ知らない」 の本イベントで大垣に行ってきました。
日程は 2月 9日 (金) ~ 10日 (土) の2日間。
距離的には、早朝に家を出ればギリギリ日帰りで行けなくもないんだけど、余裕を持って1泊することにした。
スケジュール的には在来線だけでも全然大丈夫……なんだけど、プレキャンペーンに引き続き本イベント期間中にも(前回とは別の)新幹線乗車特典があるので、一部区間だけ利用。
JR大垣駅構内ではイベントのポスターや横断幕が掲示。テンションが上がります。
推し旅
今回のイベントは JR東海による各種 IPとのコラボ企画である 「推し旅」 のひとつ。
プレキャンペーンの段階では本イベントの詳細は不明だったが、フタを開けてみればかなり盛り沢山な内容だった。
(もし日帰りで強行していたらイベントをこなすのに精一杯で旅を楽しむ余裕はなかっただろうから、1泊2日にしたのは結果的に正解だったと思う)
スタンプラリー
スマホに専用のアプリをインストールして参加するデジタルスタンプラリー。参加無料。全7ヶ所をコンプリートすると所定の場所で記念品をもらえる。
「水都」と呼ばれるだけあって、噴水や泉など、どのポイントも水に関連していた。
水都の泉
大垣駅の南にある噴水(調整中なのか水は出てなかったけど……)。
高屋稲荷神社
境内には澄んだ水が流れる手水場(?)がある。
栗屋公園
かなりこぢんまりした公園で、目の前を通ったのに気づかずしばらくウロウロしてしまった…。
綺麗に整備されてて、園内には小川のような水路が流れている。
名水大手いこ井の泉緑地
郭町商店街の一角にある泉。
丸の内公園
大垣市役所西側の川沿いの敷地が公園として整備されている。
俵町薬木広場
大垣で活躍した本草学者・ 飯沼慾斎 の胸像が設置されている。
……はい、カンニングしながら書いてるのがバレバレですね…(すみません)
むすびの泉
「奥の細道むすびの地記念館」の敷地内にある泉。
……なんだけど、この泉に近づいてもアプリが反応しなくてラリーのスタンプが押せない……。困惑しながら辺りをウロウロしてると、記念館の建物付近で反応が……!(参加予定の方は要注意)
スタンプをコンプリートすると、上記記念館内の売店で景品がもらえる。
両面にイラストが印刷されたアートボード……「ボード」というか、大きめのカードみたいなもの(A5サイズくらい)。
これでスタンプラリーは完了……かと思いきや、何気なくアプリを触ってると……
追加スポット!?
(これ自分はたまたま発見できたけど、7ヶ所コンプで景品もらったあと、気づかず大垣を発ってしまう人も割といそうな気が……。なんかわかりやすい演出があった方がいいと思います)
水都北口オアシス
今回のイベントで唯一、大垣駅の北側に存在するスポット。
ここのスタンプを押すと、アプリ内からスマホ用の壁紙がゲットできた。
ARラリー
指定の6ヶ所に行くと、アプリ内からその場所に対応したキャラのAR写真が撮れる。
新大橋
大垣駅通りのほぼ真ん中にある橋。対応キャラはのどか。
水の都おおがき舟下り 受付・乗船場
オフシーズンのため目印となるものがなく、「受付・乗船場」というのがどこだかわかりにくかった…。
龍の口橋を渡って川の南側、「大垣高等女学校発祥の地」の石碑があるあたり。対応キャラは花楓。
大垣城
駅から順番にラリーを回っていくなら、大垣駅通りを南に歩いていくと右手(西側)に突然現れる(こっちは裏口(?)で、南側の大垣公園から入っていくのが正規ルートっぽいけど)。
対応キャラは麻衣さん。
四季の広場
北から南に流れてきた水門川が一旦 東に折れ曲がる地点に整備されている広場。対応キャラは古賀。
撮影ポイントは広場内のどこでもいいのかと思いきや、むしろここは特に判定がシビアでなかなかキャラが出現しなかった……。たぶん電話ボックス付近だと思うんだけど、そこでも出たり出なかったり……。
住吉燈台
江戸時代から大垣の水運を支えていた木造の灯台。対応キャラは双葉。
スーパーホテル大垣駅前
ビジネスホテル。歴史があったり景観が良かったりする他のスポットと比べると、ここだけ浮いているが……?(後述)
対応キャラは咲太。
この ARカメラ、残念ながら操作性とか UXの面でいくつか改善すべき点があるかと思います…。
- ARキャラを画面内に配置する際の操作性があまり良くない
- スマホを横持ちにして撮影しても、保存した写真の向きが縦向きのまま
- 写真の縦横比が妙に細長い(648 x 1411ピクセル)
- アプリ内のカメラ自体の画質が良くない(すごくボヤけてる)
- (自分の環境だと、保存後のファイルサイズは最大でも130KBくらいだった)
- 前述の通り、場所によってはキャラの出現スポットがわかりにくかったり、判定が厳しかったりする。もっとゆるゆるでいいと思います…。
そして、これがいちばん致命的なんだけど……シャッターボタンを押したあとに写真が保存できない症状が発生する。
「シャッターボタンを押す → 共有するアプリ一覧が出る → 選択して保存」というのが正常な流れだけど、このアプリ一覧が出ない。
一旦この症状が発生すると、アプリを終了しても、スマホを再起動しても治らなかった。……かと思いきや、泣く泣くあきらめて次のスポットに向かうと治ってたりする。で、しばらくするとまた発生する……。
おま環なのかと思ったけど、持って来てたサブの端末でも発生するんだよね……。共有アプリを選ぶ形式じゃなくて、単純に「ダウンロードフォルダに保存される」だけの仕様じゃダメだったんだろうか…?
(症状発生時は、シャッターボタンを使わずにスクショを撮ることで一応は保存できる。アプリのUIも一緒に写っちゃうけど……(四季の広場での古賀の写真がそれ))
(余談だけど、キャラが出現しているときにそのイラストを長押しすると……?)
グルメラリー
指定の10店舗で対象の商品を注文、または購入すると、会計時にアニメの名場面が印刷されたカードがもらえる。「ラリー」という名前だけど、コンプリート特典は存在しない(たぶん)。自分が回ったのは4店。
パスタハウス・スズヤ
対象メニューはたらこ生クリームパスタ。(1日目の昼食)
中華食房 チャングイ
対象メニューは担々麺。(1日目の夕食)
金蝶園総本家(郭町)
対象商品は金蝶園饅頭(5個入)。同封の説明書きの通り、レンジかトースターで温めて食べるとおいしい。
金蝶園総本家(大垣駅前)
対象商品はいちご餅(4ヶ入)。新鮮ないちごを使っててすごくみずみずしい。要冷蔵商品なので、お土産として持ち帰る場合は要注意。
自分が手に入れたカードはこの4枚。お目当てだった花楓のカードは出なかったよ……。
種類は「購入するたびにランダムで選ばれる」のではなくて「その店でどのカードがもらえるかは固定されている」っぽい(あるお店でもらう時に、同じ絵柄のカードの束が見えてしまった)。
ポスター等の展示
冒頭で触れた大垣駅の他にも、市内各所で今回のイベントのポスターが掲示されている。自分が見た限りでは、グルメラリー参加店の店頭には確実に掲示されてた。
また、大垣駅通りにある「大垣市観光情報PRコーナー」のショーウインドウでは等身大POPの展示とアニメの名場面の紹介。(知らない人がこれだけ見てもなんだかわからない気もするけど…)
「奥の細道むすびの地記念館」の館内では、6人分の等身大POPが一堂に会して展示。
グッズとか
上記記念館の売店ではイベント限定グッズを販売。自分が買ったのはクリアファイル、アクスタ、アクキー2種。
売り切れになっててもイベント期間中の再入荷があったり、 イベント終了後の通販も予定されてる そうなので焦らないように。
また、2000円以上の購入でポストカードがもらえる(1会計につき1枚)。
新幹線乗車特典はJR大垣駅構内の西美濃観光案内所で引き換え。
プレキャンペーン特典はクリアファイル、イベント期間中の特典はカードサイズのステッカー(こちらはまだ入手可能)。
西美濃観光案内所やグルメラリー参加店で配布されているイベントマップ。広げるとA3サイズくらいでかなり大きい。 公式が作成したほぼ同内容の Google マイマップ もあるけど、やはり紙の地図があると便利。各所を回る前に入手しておくのがオススメ。
聖地巡礼
そもそもなんで大垣で青ブタのイベントなのかというと、縁もゆかりもないわけではなくて、作品の舞台としてちゃんと登場するからなのだ。
原作小説の第1巻、アニメだとTVシリーズの第2~3話に
「咲太以外の誰からも存在を認識されなくなってしまった麻衣。『どこか遠くの街に行けば、まだ麻衣の姿を見られる人がいるかも知れない』と2人で電車に飛び乗り、在来線を乗り継いでたどり着いたのは大垣だった。駅前のビジネスホテルに宿を取り、近くのコンビニまで替えの下着や食事を買いに行く。そして朝になると駅に直行して藤沢に引き返す」
というエピソードがある。(なので、ラリーで回った名所とかは全然登場しないんですけど……)
今回の聖地巡礼では こちらのエントリ を参考にさせていただきました。
原作小説
原作小説で、具体的な場所の特定に繋がりそうな記述は以下の通り。
大垣駅のホームに降り立ったのは、とっくに日付も変わった零時四十分頃。
(中略)
なんとなく南口へ出て、バスロータリーの辺りまで歩いたところで立ち止まる。何もない駅だった場合、どうしようかと思っていたが、市の中心地らしく駅ビルや商業施設が並んでいた。これなら今夜の宿くらいどうにかなりそうだ。
(中略)
色々と考えはしたものの、咲太は無難なところで駅前のビジネスホテルを頼ることにした。
部屋が空いているかを尋ねると、フロントのおじさんには怪しい目を向けられた。殆ど手ぶらの高校生が深夜に泊めてほしいと言ってきたのだから当然の反応だ。(中略)
フロントを避けて、裏の出口から咲太は麻衣とホテルを出た。高校生のひとり旅はさすがに目立つ。チェックインの際に向けられた疑惑の視線は減らしておくに越したことはない。
(中略)
左右の通りを確認する。駅から離れる方向に約五十メートル。緑色の看板を掲げたコンビニの明かりが見えた。自然とふたりの足がそちらを向く。
大垣駅の南側で「駅前」と呼べる範囲にあるビジネスホテルは アパホテル 、 くれたけイン 、 スーパーホテル 、 クインテッサホテル の 4軒。しかし「ホテルから見て『駅から離れる方向に約五十メートル』の地点にコンビニがある」という条件を追加すると、どれも当てはまらなくなってしまう。
青春ブタ野郎シリーズは執筆に際してかなり綿密な取材をしていて、固有名詞を出していなくてもその記述内容だけで特定可能なモデルが存在する場合が多い。が、大垣のホテルとコンビニに関しては原作小説の段階では明確なモデルを設定しなかったのかもしれない。
(刊行(2014年)の時点では、記述通りのホテルとコンビニが存在した……という可能性もなくはないが…)
コミカライズ版
TVアニメに先駆けて2015年から連載が始まったコミカライズ版。大垣でのエピソードが描かれたのは全20話の終盤にあたる第16・17話(2017年11月発売号・2018年3月発売号に掲載)。
こちらでは実際の街と同様の風景が描かれており、ホテルとコンビニも実在の店舗をモデルにしている。
いま気づいたけど、スーパーホテルからローソンまでだと、道を渡ってから駐輪場の中を突っ切って行くのが最短ルートかもしれない……(「絵的にどうなんだ」というのは置いといて)
アニメ版
2018年 10月放送開始のTVアニメでも、コミカライズ版を踏襲して宿泊先のモデルはスーパーホテルっぽい(AR撮影のスポットに選ばれたのはそのせい)。
が、コンビニへ向かうルートが変わっていたりと相違点も多い。
アニメだと内装は「一昔前の典型的なビジネスホテル」という風情だけど、実際はかなり綺麗だった。……はい、ここに泊まりました。
劇中だと咲太が客室から友人に電話をかけるシーンがあるけど、スーパーホテルの客室には電話機自体が存在しない。また「備え付けの時計が数分遅れていた」というくだりもあるが、もちろんそんなことはなくてキッチリ正確だった。
コミカライズ版のローソンとは明らかに違う。店名やデザインの元ネタは セーブオン っぽいけど、岐阜県に店舗が存在したことはなさそう(たぶん)。チェーンにこだわらず探しても、ホテル近辺に類似する外観のコンビニは(少なくとも現在は)存在していないようなので、特にモデルはないのかもしれない。
ふつうの大垣観光
大垣駅からスタンプラリーとARラリーを並行して進めていくと、何度も橋を渡ったり川沿いを歩いたりすることになる。地図を見ると、大阪の市街地のように何本もの川が縦横に流れているのではなく、「水門川」という1本の川に沿うようにポイントが設定されていることに気づく。水は澄んでいて、川底に生える水草が流れにゆらめく様子を見ることができる。
— srgy (@srgy_htn) 2024年3月5日
大垣城の外堀として作られたというこの川には石造り、鉄製、木造(風?)、朱塗りとバリエーション豊かないくつもの橋がかかり、川沿いを散策していて飽きることがない。
ただ、川下りができなかったのはちょっと残念だったな~、まあオフシーズンのイベントだから仕方がないけど……とか思ってたら、 イベント最終盤(3月下旬)にそれも追加された。 抜かりない……。
大垣は松尾芭蕉の「奥の細道」の終着点(むすびの地)ということで、前述の記念館や銅像が建てられている。
市内を歩いている時にふと西の方を見ると、はるか遠くにある雪山が目に飛び込んできた。検索してみると、どうやら岐阜と滋賀の県境にある 伊吹山 っぽい。積雪どころか降雪もめったにない地域に住んでいて、雪山を見る機会なんてないのでちょっと感動してしまった。*1
青ブタ以外にも大垣を舞台にしたアニメや漫画はいくつかあるようで、市内の各所で作品が紹介されていた。大垣市はこういうコンテンツを観光や街づくりに活用することに関して、自治体レベルで積極的な姿勢を感じた。正直うらやましい……。
「おあむ物語」の他にもいくつか大垣市プロデュースのアニメが作られているらしい。 すごい……。
記念館の館内では、聲の形の舞台のモデルになった場所が紹介されていた。「大垣のご当地作品」としては青ブタの比ではないくらい濃度が高い…。どこが舞台かなんて映画公開当時は気にしなかったけど、言われてみればここまで歩いてくる時に見たのと似た風景をアニメでも見たような気もする。聲の形が公開されたのも、もう8年前…………
え? フェルン、それは流石に嘘だよ。聲の形が公開されたのはせいぜい4~5年前だよ……。
ちょっとびっくりしたのは、駅前から続く商店街の外れにある交差点。
横断歩道を渡ろうと思ったら……
えっ、「自転車専用」??
じゃあ、どうやって渡れば……ん?
あ、この地下道を通るのか! そういえば同じような入り口が駅前の交差点にもあった気がする……(けどそちらは歩行者も普通に横断歩道を使えた)。
図で示されてる通り、地下でX字状に交差してるので、油断してると自分がどちらの方に進んでいるのか見失いやすい(2回通って2回とも迷った奴)。
まとめ
大垣って、青春18きっぷで東京に行く時の乗換で降りたことはあったけど、改札の外に出たことはなかった。
それどころか、関西からだと「帯に短し……」みたいな距離なのもあって、大垣のみならず中部地方をちゃんと旅したことって今までなかったかもしれない(愛知県美術館に行ったことがあるくらいか…?)。
(一応)青ブタの聖地なのでいつかは行きたいと思ってたけど、優先順位は高くなかったのでかなり先になってたかもしれないし、実際に来ても劇中に登場した駅前のごく限られたエリアだけを回って終わりだった気がする。
今回こういうイベントがあって実際に来てみると「今までに来たことがなかったのが勿体なかった」と思うくらい いい街だった。
+α
2日目の昼過ぎに大垣を出発。そのまま帰宅はせず、大阪の天王寺へ。
なぜかというと、ここで 開催中の 開催されていた青ブタのコラボカフェ……え、カフェじゃない? 串かつ??
記事のアップが遅すぎて終了してしまった……(2月いっぱいの開催だった)
串かつ でんがなの全国6店舗で開催されていたコラボイベント。 麻衣・のどか・花楓の描き下ろしイラストでの装飾、コラボメニュー注文でコースターなどの配布、コラボグッズの販売などが行われていた。
ほかに頼んだのは(コラボメニューではない)フライドポテト。もうちょっと食べたい気持ちはあったけど、胃袋と(あとサイフと)相談して自重しました。
コラボメニューを注文すると、会計時にグッズの購入もできた。イベントは終了したけど、 このグッズの事後通販は受付中です(3月17日まで)。
ただ、ランダム配布だったコースターやクリアファイルは販売対象じゃないけど…。
*1:六甲山が冠雪することはあるかもしれないけど、普段そういう意識で見てないので…