srgy

srgyのブログです

【トラペジウム】なぜ東西南北の4人は展望台で再会できたのか?

 

 

※このエントリは、映画「トラペジウム」のネタバレを含みます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

Day 1 ~ 3

高校生の少女・(あずま)ゆうが、自ら探し集めたメンバー、華鳥(かとり)蘭子(らんこ)大河(たいが)くるみ・亀井(かめい)美嘉(みか)と一緒にテレビ出演にこぎつけ、ついにはデビューを果たしたアイドルグループ「東西南北」の事実上の活動休止。

意気消沈したゆうは、何日も自室に引き篭もっていた。
母に促されて数日ぶりに登校するが、学校にも彼女の居場所はない。

放課後、あてもなく立ち寄った 翁琉城(おうりゅうじょう) の公園で、観光ボランティアの活動をしていた時に世話になった老人・伊丹に声をかけられる。テレビに出るようになってから足が遠のいていたゆうにとって、顔を合わせるのは久しぶりだ。東西南北の活動休止を報告すると、思いがけない言葉が伊丹の口から出た。

「これから、どうするんですか?」

これから……?

家路に就いても、ゆうはその言葉を反芻していた。
これから……。

駅のホームで電車を待っていると、番組 AD の古賀から着信が入った。番組主題歌を収録した CD に東西南北の曲も入るのだという。東西南北のトラブルで迷惑を被った立場なのに、古賀の声はいつものように明るい。

「ほんま、ありがとうな!」

「……こちらこそ……ありがとうございました……」

頭を下げながらそう言ったゆうの声は、震えていた。

帰宅して遅い夕飯を食べていると、少し前まで自分たちが出ていた番組がテレビに映った。
ゆうに気を遣ってテレビを消した母に、東西南北のみんなはどうしているのかと聞かれるが、首を横に振ることしかできない。

「あのさ……」ゆうが口を開く。
「……私ってさ、嫌なやつ、だよね……」

母がゆうの肩に手を置く。
「そういうところも、そうじゃないところもあるよ。ゆうには」

自室に戻ったゆうは、膝に顔をうずめ、声を上げて泣き続けた。

 

Day 2

ゆうは意を決してボランティア施設・ババハウスを訪れた。
そこで再会した美嘉から、ゆうは小学生の頃から変わらず気丈だった、そしてそんなゆうに美嘉はすごく救われていたのだと聞かされる。

「東ちゃん。私はね、東ちゃんのファン 1号だったんだよ」

夜、ゆうが自室でラジオを聞いていると、東西南北の唯一の持ち歌だった「なりたいじぶん」が流れる。その曲をリクエストした「にこきっずのサチ」という名前に、ゆうは覚えがあった。

同じ頃、蘭子は自宅で、くるみは高専のロボット研究会の部室で、そして美嘉はババハウスで車椅子の少女・サチと一緒に、同じラジオを聞いていた。

 

Day 3

ある日の放課後、ゆうは自分たちの曲が収録された CD を買って、4人で何度もダンスの自主練をした公園の展望台にひとりで来ていた。
ベンチに腰掛けて CD のジャケットを眺め、東西南北として活動していた頃のことを思い出す。
すると急に強い風が吹いた。CDショップの袋が飛ばされた方を見ると……。

「東ちゃん?」

そこに立っていたのは美嘉だった。後ろにはくるみと蘭子もいる。
かける言葉が見つからない。ゆうが、緊張した時の癖で首筋に触れようとすると……。

「……え?」

3人は示し合わせたように、ゆうと同じ CDショップの袋と、笑顔を見せた。

 

 


 

 

…………というのが、トラペジウムの物語終盤、クライマックスへと到る一連のシークエンスである。
Day 13 というのは本エントリの都合で便宜上 付けた呼び方で、公式のものではない

Day 1
  • 久しぶりに登校する
  • 放課後、伊丹に会う
  • 古賀から CD 発売の連絡
  • 夕食中にバラエティ番組が映る
  • その後、自室で……
Day 2
  • ババハウスで美嘉と再会する
  • 夜、ラジオで「なりたいじぶん」が流れる
Day 3
  • 放課後、CD を買う
  • 公園の展望台で 4人が再会する

このシークエンス、普通に観ていると気づきにくいが、よくよく考えると「ん?」という点がいくつかある。

 

それは、「ゆうが CD を買ったのは『いつ』なのか」ということ、
そして「美嘉・くるみ・蘭子が展望台でゆうと再会したのは『偶然』だったのか」ということである。

 

 

目次

 

 

CD の発売日は何曜日?

まず、Day 1
帰宅したゆうが夕飯を食べていると、リビングのテレビに少し前まで東西南北が出演していたバラエティ番組「めちゃ×2 フライデー」が映る。
よって、Day 1 は金曜日である。

(「がっちりマンデー!!」(日曜放送)や「少年サンデー」(水曜発売)みたいに、番組名と放送曜日が異なっている可能性……は、ない(劇中で古賀の金曜の深夜のバラエティという発言がある))

Day 1 金曜日
  • 夕食中にバラエティ番組が映る

Day 2Day 1 の翌日なので土曜日である(詳しくは後述)。
そして、その夜のラジオが流れるシーン。曲を流す前に、ラジオ DJ が「明日発売 の『めちゃ×2 フライデー』のテーマソング集」と紹介している。
つまり、この CD の発売日は日曜日ということになる。

(通例、CD の発売日は水曜日が最も一般的。次いで、平日の他の曜日も散見されるが、日曜発売はかなり珍しい。全く無いということはないが、なぜ敢えて日曜に…?という疑問はある。番組にちなんで金曜にするならともかく……)

Day 1 金曜日
  • 夕食中にバラエティ番組が映る
Day 2 土曜日
  • 夜、ラジオで「なりたいじぶん」が流れる
CDの発売日 日曜日  

ゆうが CD を買ったのは……?

普通に映画を観ていると Day 13 は連続した 3日間……、つまりDay 1 の翌日が Day 2Day 2 の翌日が Day 3だと認識するのではないかと思う。
もしそうなら、ゆうが CD を買いに行ったのは発売日……つまりDay 3 は CD の発売日」ということになる。
……が、それだと辻褄が合わない点が出てくる。

Day 1 金曜日
  • 夕食中にバラエティ番組が映る
Day 2 土曜日
  • 夜、ラジオで「なりたいじぶん」が流れる
CDの発売日 = Day 3…? 日曜日
  • 放課後、CD を買う

TSUTAYAっぽいショップ *1 で CD を買った日のゆうは、学校の制服姿で学生カバンを持っており、店の前には他にも制服姿の女子高生(か中学生)がいた。展望台で再会した美嘉と蘭子も同様だった(くるみはいつもの萌え袖のパーカー)。
つまり、「放課後」である。

 

一方、CD の発売日は前述の通り「日曜日」である。日曜日に「放課後」はない。 また、部活動をしていないゆうが日曜日にあえて制服姿でショップに行く理由もない。

(じゃあ、Day 2 = 土曜日にババハウスで再会したゆうと美嘉が制服姿だったのはどうなんだ…?という問題もあるにはある。土曜日授業のある高校もあるけど…)

 

従って、Day 3(ゆうが CD を買った日)」は「Day 2 の翌日( CD の発売日 = 日曜日)」ではない、ということになる。

では、「Day 3(ゆうが CD を買った日)」は、一体いつなのか?

Day 1 金曜日
  • 夕食中にバラエティ番組が映る
Day 2 土曜日
  • 夜、ラジオで「なりたいじぶん」が流れる
CDの発売日 日曜日  
Day 3 ???
  • 放課後、CD を買う

つばさ文庫版の記述

そこで、つばさ文庫版の「トラペジウム」(著・百瀬しのぶ)を参照してみる。

これは映画「トラペジウム」の公開にあわせて、児童向けレーベル「角川つばさ文庫」から発刊されたもの。「原作小説『トラペジウム』を子供向けにわかりやすく書き直したもの」……ではなく、「映画『トラペジウム』のノベライズ」である。

よって作中の設定等は原作小説ではなく、映画版に準拠していると考えられる(一部セリフの修正等、映画版から多少の変更点は見られる)。

(なお、これに関して原作小説の記述を参考にすることはできない。なぜなら「映画『トラペジウム』」は原作小説からいくらかの変更点があり、特に映画後半はオリジナル要素が強い。そして、このエントリで扱っている Day 13 に関しては 8割方 映画オリジナル展開だからである。
とはいえ、決して原作小説をないがしろにしているわけではなく、むしろ原作を最大限尊重した上での変更だと私は感じている。……というのは、映画のスタッフの名誉のために記しておきたい。閑話休題

 

で、つばさ文庫版では、Day 2 の夜、4人がそれぞれの場所でラジオを聴いているシーンの直後……

数日後の放課後、ショッピングモールのCDショップに行った。

と書かれている。Day 3Day 2『数日後』である。『翌日』ならこういう書き方はしないだろう。
具体的な日にちの特定には至らないが、どうやらDay 3 は日曜日ではない」ということが判った。

 

(ちなみに、Day 1 の夜、ゆうが自室で泣いているシーンの直後には……

翌日、ババハウスに向かった。ここに来れば美嘉に会える気がしていた。

と書かれている。Day 2Day 1『翌日』である)

Day 1 金曜日
  • 久しぶりに登校する
  • 放課後、伊丹に会う
  • 古賀から CD 発売の連絡
  • 夕食中にバラエティ番組が映る
  • その後、自室で……
Day 2 土曜日
  • ババハウスで美嘉と再会する
  • 夜、ラジオで「なりたいじぶん」が流れる
CDの発売日 日曜日  
Day 3 Day 2 の『数日後』
(具体的な日にちは不明)
  • 放課後、CD を買う
  • 公園の展望台で 4人が再会する

とりあえず、この設定に従えば、曜日と「放課後」の齟齬についてはひとまず解決する。
しかし、そうなると新たな疑問が生じる。

 

 

展望台での再会は『偶然』だったのか?

ゆうが CD を買ったあと、公演の展望台に行って、ベンチに腰掛けている。
そこに、同じく CD を買った美嘉、蘭子、くるみの 3人もやって来て、ゆうと再会する。

……さて、この再会は『偶然』だったのだろうか?

 

「展望台」といってもタワーとかデッキ的なのではなくて高台みたいなところです)

 

CD を買いに行ったのが発売日だったら、「4人が 偶然 同じ日に CD を買って、よくダンスの自主練に来ていた展望台で 偶然 鉢合わせる」ということもあるかもしれない。

しかし、この日は「発売日の何日か後」である。「4人が 同じ日に CD を買いに行く」という可能性は、発売日よりもかなり低くなるだろう。

 

では、ゆう以外の 3人。CDショップで、あるいは展望台への道中で『偶然』出会ったのではないとすると、彼女らはなぜ一緒にいたのだろうか?

 

 

『あの日』からの 3人

くるみが半狂乱になり、蘭子が「アイドルって楽しくない」と言い放ち、美嘉が泣き崩れた 『あの日』

そこから独りで逃げ出したゆうが自室で塞ぎ込んでいた間、3人はどうしていたのだろう?

 

劇中にそれを示す直接的な描写はない。事務所からの連絡で「ゆうよりも先に事務所を辞めた」ということが判るくらいである。

ナレーションによると、『あの日』から「数日後」には、「事務所から連絡があって、3人の契約解除が告げられた」という。

さらに、その何日か後(Day 1 の前日)には、ゆうのスマホに 遠藤(事務所の社長)から「他の 3人の退所の手続きが済んだんだけど……どうする?」と連絡が入る。

 

 

『あの日』から展望台での再会までは、どれくらいの期間?

『あの日』の少し前のシーン……ゆうが(東西南北の 2つめの持ち歌になるはずだった)新曲の作詞に着手したシーンで、ゆうの自室のカレンダーは 2月 になっていた。

この日が 2月のいつなのかは不明だが、このシーンの後、『あの日』までの間に……

  • メンバーで分担して行うことになっていた作詞が進まない 3人が、展望台でゆうに詰められる
  • アイドルフェスに出演する
  • その帰り、電車内でくるみが蘭子に内心を吐露する

というシーンがある。
(また、つばさ文庫版では、ゆうが作詞を始めたシーンの直後に「数日後、いつもの公園の展望台に集まった。」と書かれている)

これらの時間経過や、後述する Day 1 からの逆算など、総合的に考えると、ゆうが作詞を始めた日は 2月初旬~中旬『あの日』2月中旬~下旬 あたりではないかと思う。

 

そして、Day 1 の駅のホームのシーンで、ゆうの側を通り過ぎた女子高生 2人組の会話に「来月 3年だよ?」というセリフがある。来月 3年……つまり来月には 3年生に進級するということは、この日はもう 3月になっている ということだろう。

また、その後の夕食のシーンでも、ダイニングのカレンダーが 3月になっている。

(あと、Day 1 の教室のシーンで、黒板の日付が「3月 1日」になってた……気がするんだけど、劇場でちゃんと確認できなかった……)

 

これらのことを含めて考えると、4人がバラバラになった『あの日』から、展望台で再会を果たした Day 3 までは、だいたい 10日間 前後……長くても 2週間 くらいではないかと思う(それ以上だと長すぎ、1週間だと短すぎるように感じる)。

2月 (東西南北の新曲の話を聞かされた日)
  • ゆうが新曲の歌詞の作詞に着手する
  • 3人に「メンバーで分担して作詞をすることなった」とグループラインで知らせる
(↑の日の「数日後」)
  • それぞれの事情で作詞が進まない 3人が、公園の展望台でゆうに詰められる
(具体的な日にちは不明)
  • アイドルフェスに出演
  • 帰りの電車で、くるみが蘭子に内心を吐露する
(具体的な日にちは不明) 『あの日』
『あの日』の「数日後」)
  • 「事務所から連絡があって、3人の契約解除が告げられた」(ナレーション)
(Day 1 の前々日) 水曜日
  • 「あの日以来、私はずっと家にいた」(つばさ文庫版の記述)
  • 「ここ数日続けて欠席していた」(つばさ文庫版の記述)
  • 母から「学校から連絡があって、先生方が心配していた」と聞かされる
  • この日も部屋から出ずに過ごす
(Day 1 の前日) 木曜日
  • 母に促されて家を出る(……が、結局この日も学校には行かなかった)
  • 砂浜で海を見ている時、遠藤から「他の 3人の退所の手続きが済んだ」と連絡が入る
3月 Day 1 金曜日
  • 久しぶりに登校する
  • 放課後、伊丹に会う
  • 古賀から CD 発売の連絡
  • 夕食中にバラエティ番組が映る
  • その後、自室で……
Day 2 土曜日
  • ババハウスで美嘉と再会する
  • 夜、ラジオで「なりたいじぶん」が流れる
CDの発売日 日曜日  
Day 3 Day 2 の『数日後』
(具体的な日にちは不明)
  • 放課後、CD を買う
  • 公園の展望台で 4人が再会する

ゆうと再会するまで、3人はどうしていたのか

……その期間、ゆう以外の 3人は一体どうしていたのだろうか。

3人は……いや、ゆうも含めて東西南北の全員が、それぞれ傷ついていたに違いない。

 

 

「アイドル」が長年の夢だったゆうと、成り行きでテレビ出演や芸能活動を始めた 3人とでは熱意に大きな差があり、ゆうはそのことに歯がゆさを感じていた。
また、憧れだった「アイドル」にはなったものの、実際に活動してみると思うようにいかないことも多く、そのフラストレーションを周囲にぶつけてしまうことも増えていた。
そのことが『あの日』の出来事を引き起こし、結果、一度は掴んだゆうの夢は音を立てて崩れた。

 

もともと人前に出るのが苦手だったのに、なし崩し的に多くの人の目にさらされる立場になって、精神的に追いつめられていたくるみ。
彼女はアイドルとして抜群の「素質」を持っていたが、残念ながら「適性」がなかった。
遅かれ早かれ、彼女はアイドルを続けられなくなっていたかもしれないが、ゆうの態度や行動の変化がさらなる負担となって『あの日』の悲劇を招き、その時期を早めた。
ゆうがもう少しメンバーに寄り添ってあげられていれば、もっと穏やかな形で幕を閉じることも、あるいは、もしかしたら くるみがアイドルを続けることだってできたかもしれない……と、どうしても考えてしまう。
(しかし、人生経験もなく、(その信念や行動力は並外れているとはいえ)人並みに愚かな 16歳の少女をそこまで責めるのも酷かもしれない……とも思う)

 

くるみと違って、蘭子にとって人から注目されることは苦ではなかった。それどころか目まぐるしい環境の変化を楽しんでさえいた。
でもそれは、とりとめのないおしゃべりをして、笑顔で一緒にいられて……そんな 4人の仲が根底にあってのことだった。
ゆうの様子が以前とは変わってしまい、美嘉が傷つき、くるみが苦しんでいる。
そんな状況を放ったままで「アイドル」を続けることは彼女にはできなかった。
グイグイと引っ張っていくようなリーダーシップを発揮していたゆうとは対照的に、蘭子は東西南北の精神的支柱のような存在だったように思う……特にくるみにとっては。
『あの日』からゆうと再会するまでの間、彼女はそれまでと同じように 2人の支えになっていたのかもしれない。
(テレビ出演の話が持ち上がった時、乗り気ではなかったくるみの背中を押した「やってみましょうよ」という何気ない言葉。それが結果的にくるみを追いつめてしまったことに、蘭子は心を痛めていたのかもしれない)

 

美嘉は、既に『あの日』の時点で笑顔を失って、半ば抜け殻のようになっていた。
彼氏がいたこと、それをみんなに言っていなかったことをゆうから咎められ、「友達にならなきゃよかった」とまで言われて……。
彼氏と別れざるを得なくなったこと、ゆうから強く責められたことに美嘉が大きなショックを受けていたのは明らかだ。
でも、それ以上に「ゆうが変わってしまった」ことが、彼女は悲しかったのではないかと思う。
ゆうは念願だったアイドルになり、それに飽き足らず東西南北のさらなる成功のために必死になるあまり、周囲を、そして自分を見失ってしまっていた。
幼い頃の美嘉にとっての「ヒーロー」の姿は、そこにはなかった。

 

 

……『あの日』のあと、ゆうよりも先に事務所の退所手続きが済んだ 3人は、そのために保護者と一緒に事務所を訪れたり、お互いに連絡を取り合ったりはしていたのかもしれない。

だけど、誰もゆうに連絡を取ることはできなかった。
ゆう自身は全てを失ったショックから立ち直れておらず、3人のことを気にかける余裕などとてもなかった。
ゆうとは違って「アイドル」にそこまで執着がなかった 3人は、時間が経ってある程度は落ち着きを取り戻していたかもしれない。しかし、ゆうに対してどう接すればいいのか、どんな言葉をかければいいのか……その答えを出せるほど気持ちの整理はついていなかったのかもしれない。

そのまま 4人が出会う前のそれぞれの生活に戻って、ずっと音信不通になってしまい、二度と再会することはなかった…………そんな未来もあり得たかもしれない。

 

でも、ゆうは美嘉のもとを訪ねていった。
ゆうは「自分」というものを見失って、「これから」どうすればいいのかわからなくなっていた。
そのヒントが欲しくて、小学生の頃の自分を知る美嘉に「昔の自分」がどうだったかを聞きに行った。

自分勝手な振る舞いのせいで酷く傷つけてしまった美嘉から許してもらえず、拒絶されることも覚悟していただろう(ババハウスの前で、緊張を落ち着かせるための癖で首筋に手を当てていたゆうの様子からそれが見て取れる)。

けれど、美嘉はババハウスの中にゆうを招き入れ、コーヒーを飲みながら話した。
この久しぶりの会話は、ゆうだけではなく、それを語った美嘉自身にも「かっこよかった」幼い頃のゆうを、そしてゆうと過ごしたこの数ヶ月間の日々を思い出させたのかもしれない。

 

 

4人の再会を実現させたのは……

…………脱線が長くなってしまった(いや脱線ではないです、一応……)。

で、何が言いたいのかというと…… 展望台での再会は『偶然』ではなく、その実現には美嘉が大きな役割を果たしていたのではないか と。

 

ゆうとの仲を修復したいという気持ちは 3人にもあったのだろうけど、「拒絶されてしまうのでは」という不安もまたあったのではないか…………ゆうと同じように。

だけど、ゆうは美嘉に会いに来た。
そして美嘉は、ゆうに語る自らの言葉によって、「かっこよかった」ゆうの姿に幼い頃の自分がを救われたことを思い出し、「今度は自分がゆうの助けになろう」……そう思ったのではないだろうか。

 

なんとかまた 4人で集まって、話ができないだろうか……。
そこで 美嘉は、発売を知らされていた CD を「一緒に買いに行こう」と、くるみと蘭子を誘ったのかもしれない。
(『あの日』以降、3人が退所手続きのために事務所を訪れていたなら、CD のことはそこで聞いて、古賀から知らされたゆうよりも早く知っていたのかもしれない)

また、Day 2 の夜、4人が同じラジオを聴いていたのも偶然ではなかったのかもしれない。
この日以前に、美嘉から CD のことを聞かされたサチが番組にリクエストを送っていて、美嘉が「ラジオで流れるかもしれないから聴いていてほしい」と蘭子とくるみに伝えていた……そんなことがあったのかもしれない(ゆうがいつもこの番組を聴いている *2 ことを、美嘉はゆうから聞いて知っていたのかもしれない)。

 

(また少し脱線になるけど……「あんな酷い目に遭わされた 3人が、ゆうとの仲を修復したいなんて思うか?」という人もいるかもしれない。
でも、3人はゆうから「酷い目に遭わされた『だけ』」ではなく、ちゃんと「良い友人」でもあったはず。

注意しなくてはならないのは、「トラペジウムは、(ある意味で)露悪的な作品である」ということだ。
これは「主人公・東ゆうが露悪的な人間である」ということではなくて、「トラペジウムという作品自体が」という意味で。

この作品には、物語の「本筋」には直接 関係のないシーンの描写が全くない……というのは言い過ぎだが、かなり少ない。
「本筋」というのは、「東ゆうがメンバーを探して、アイドルになって、それを失って、それでも諦めきれず……」というところである。
結果的に、「ゆうが本心を隠して 3人に近づき、うまくいかないと酷い言動をして……」という点ばかりが強調されて、観客の印象に残ってしまう。

でも、Day 1 の夜のゆうの母親の言葉を思い出してほしい。
「……私ってさ、嫌なやつ、だよね……」と話すゆうにかけた「そういうところも、そうじゃないところもあるよ。ゆうには」という言葉。 *3
この言葉は、ゆうに対してだけではなく、我々観客に向けての言葉でもある と、私はそう思っている。

 

東西南北の 4人は、それぞれ友達がいない(または少ない)者同士だった。
ゆうは学校では敢えて目立たないようにしていたし、蘭子はテニスの腕前がイマイチで部内でいい扱いを受けていなかった。くるみは周りに女子がいない環境で、ゆうと出会った時にはロボット研究会でも孤立していた。そして美嘉は、言うまでもなく……。
そんな共通点を持つ 4人が一緒に過ごした数ヶ月間は、決して「嫌なこと」だけではなかったはず。

例えば、観光ボランティアの活動が取り上げられて、ゆうたちが初めてテレビに映った日。 ゆうは緊張しながら、自宅のリビングで母と一緒にテレビを見ていた。
ゆう、蘭子、美嘉は小さく画面に映るが、取材の日にドタキャンしたくるみの姿がない。
それに気づいた母の「あのロボコンの子は? いつも一緒にいるじゃない」という台詞。
これはつまり、ゆうとくるみが、ゆうの母親から「いつも一緒にいる」と認識されるほど仲が良かった ということを暗に示している。
くるみだけなのか、他の 2人も一緒になのかはわからないが、結構 頻繁に家に遊びに来ていたのだろうか?
それとも、いつも一緒に遊んでいるということをゆうが母に話していたのだろうか? 妄想は尽きない。

もしトラペジウムの上映時間があと 30分 長くて 120分 だったら(あるいは 2クールとか 4クールのテレビアニメだったら)、 物語の「本筋」には大きく絡まない、4人が一緒に遊ぶだけの「日常回」的な描写を入れることができて、観客のゆうに対する印象をもう少し和らげることができたのかもしれない。……閑話休題

 

 

で、なぜ展望台で再会できたのか?

仮説に仮説を積み上げてここまで来たが……まだ解決されていない問題がある。
それは「4人が CD を買って、展望台で再会した日は、CD の発売日ではない」ということである。

 

場所については、ゆうが行きそうな場所、ショッピングモールやフードコートなども回って、最後に立ち寄った展望台でやっと出会えた……そう考えれば説明はつく。

でも、日時。
この日が発売日だったら「ゆうもこの CD を買いに来るかもしれない」と考えるのはわかる。
美嘉はなぜ、発売日から何日か経ったこの日にゆうが CD を買いに来ると予想できたのだろうか?

 

いろいろ考えて、自分がたどり着いた結論は…………「美嘉たちは CD の発売日から毎日、ゆうを探して回っていたのではないか」である。

発売日にも来ていた。その次の日にも来ていた。その次の日にも……ゆうと出会えるまで、毎日来ていた。
2日間なのか、3日間なのか、4日間なのかわからないが、毎日来ていた。(ループものの主人公か?)

馬鹿みたいな結論かもしれないが……でも、真面目に考えて出した結論である。一応。

 

まず、発売日……より前。
美嘉たちが発売日に CD を買いに行っても、ゆうが所謂フラゲをしていたら、その時点で会える可能性はなくなってしまう。ゆうの性格や行動原理を考えると、そのリスクは十分に考えられる。

だが、発売日の前日……それは Day 2、ゆうと美嘉がババハウスで再会した日である。久しぶりに会って話す中で、CD のことも話題に上ったのではないだろうか。「そういえばさ、きのう古賀さんから連絡があったんだけど…」みたいな感じで。

(そもそも、ゆうたちは関係者……というか当事者なんだから、自分で買わなくても貰えたりしないのか?という疑問はある。が、既に事務所を退所して、しかもそれが円満とは言い難い形だったのもあって、そのへんは有耶無耶になってしまったのかもしれない)

この会話で、美嘉はゆうがまだ CD を入手していないことを知った。そして、翌日の発売日にくるみと蘭子を誘って CD を買いに行けば、もしかしたら 4人での再会も叶うのではないか……そう考えたのではないだろうか。

 

でも、発売日にはゆうは来なかった。

(この「なぜ、ゆうは発売日に CD を買わなかったのか?」というのも謎ではある。
以前の……東西南北として活動していた頃のゆうなら、真っ先に手に入れようとしていたような気がする。
でも、「アイドルではなくなってしまった」ゆうが、CD という「自分がアイドルだった証」と向き合うことにためらいがあり、その決心がつくまでには何日かを要した……と考えると、納得できるような気もする)

くるみと蘭子を誘って CD を買って、一緒にパンケーキを食べたフードコートや、小学生の頃以来の再会をしたショッピングモール、ダンスの自主練をした展望台に行ったが、この日はゆうとは会えなかった。

 

……美嘉はそこで諦めるだろうか?

翌日、美嘉は再びくるみと蘭子と一緒に同じルートを辿った……前日に買った CD ショップの袋を持って。
これを何日か ─── つばさ文庫版には、Day 3Day 2 の『数日後』としか書かれていないので、具体的な日数は不明だが……2~3日だろうか?─── 繰り返した。

くるみは「もうやだ!」とか言って(再会のシーンでちょっと憮然とした表情を見せたのはそのせいだったりして)、蘭子は「まあまあ……」とか言ってなだめたりして……。

(……ていうか、そこまでするなら、もういっそスマホで連絡を取ったり、家を訪れたりして会えば……と思わなくもないが……行き違ってしまう可能性もあるし。あくまでも「偶然の再会」という形にこだわったのだろうか……?)

 

そして、Day 3
この日も 3人はゆうが立ち寄りそうな場所を回り、最後に展望台に行って…………そこから先は、劇中で描かれた通り。

 

 

もうふたつの可能性

以上が、映画「トラペジウム」の最終盤、展望台での再会についての私の考察である。

……我ながら強引な説だとは思う。思うけど……

  1. Day 13 って連続した 3日間 だよな
  2.     ↓
  3. じゃあ Day 3 は CD の発売日で、日曜だよな
  4.     ↓
  5. 日曜に制服着てるのは変じゃね?
  6.     ↓
  7. じゃあ つばさ文庫版の設定に従おう
  8.     ↓
  9. ゆうが CD を買って 4人が再会したのは日曜(= CD の発売日)じゃないのか
  10.     ↓
  11. ……でも、それだと「ゆうと他の 3人が同じ日に CD を買う」確率がすげー低くなるんじゃね…?
  12.     ↓
  13. 4人が同じ日に CD を買ったのが『偶然』じゃないとすると……。

この「 前提 を確認して、生じた 疑問解消 させると、新たな 疑問 が生じ……」というプロセスを重ねていくと、こういう結論になっちゃったんだもん……。

……でも、この 前提 を疑ってみると、別の可能性もいくつか考えられるかもしれない。

 

 

まず「 Day 13 って連続した 3日間 だよな」について。

改めてこの 3日間について確認してみると、Day 1 のラストシーンは

  • ゆうが自室のベランダで声を上げて泣いている
  •     ↓
  • ゆうのノートが画面いっぱいに映る
  •     ↓
  •  (暗転)

で終わる。暗転のあとのシーンは

  • 夕方、ババハウスの前でゆうが佇んでいる

で、そこからが Day 2

 

Day 2 のラストシーンは

  • 夜、ゆうが自室にいるとラジオから「なりたいじぶん」が流れる
  •     ↓
  • 蘭子、くるみ、美嘉もそれぞれの場所でラジオを聴いている
  •     ↓
  • 再びゆう。ラジオを聴きながらベランダで星空を見上げる

で終わる。その次のシーンは

  • ゆうがショッピングモールのショップで CD を買っている

で、そこからが Day 3

 

上の方でも書いたが、普通に観ているとこの 3日間は「連続した 3日間」だと認識するのではないかと思う(これは自分だけ……ではない、はず……)
だが、劇中でそのように明言、明示されているわけではない。

バリアフリー音声ガイド でも、Day 1Day 2 の場面転換時に「(暗転)」という説明は入るが、「翌日」という言葉は使われていない。Day 2Day 3 の時には、特に何も説明は入らない。

(ただ、「めちゃ×2 フライデー」の放送があった Day 1 が金曜日だということ、そして、ラジオ DJ の発言から Day 2 の翌日が CD の発売日だということは間違いないだろう)

 

 

次に「 じゃあ つばさ文庫版の設定に従おう」について。

つばさ文庫版は基本的に映画と同内容だが、いくつかの台詞が変更・修正されている。

 

具体例をあげると、工業祭(西テクノ高専の文化祭)での、くるみの

「私、毎年工業祭は休んでたの。」

という台詞。
この時点で 2年生のくるみが「休んでた」のは 1年生の時の工業祭だけのはずで、「『毎年』休んでた」という台詞は、よく考えるとおかしい。

(なお、この台詞は原作小説でも全く同じだが、そちらでは映画のような齟齬は生じていない。なぜなら、映画と原作小説では劇中の時間経過やイベントの発生時期が異なっており、原作小説ではこの工業祭の時点でくるみは既に 3年生に進級しているからである( 3年生なら「 1年と 2年の時の工業祭は休んでた = 『毎年』休んでた」でもおかしくはない)。原作小説から設定を変更したのに、台詞の方は変更せずにそのまま使ったことで齟齬が生じてしまっている)

だが、つばさ文庫版ではこの台詞が……

「私、去年の工業祭は休んでたの。」

に変更されている。

 

他にも、ゆうとテニスの試合をする前の蘭子の台詞、Day 1 の駅のホームでの女子高生 2人組の会話、などなど……。細かな変更点は数多くある。
それに、映画には登場しないシーンが(本編から逸脱しない形で)いくつか追加されていたりもする。(追加シーンはごく短いが、すごく興味深いので未読の人はぜひ読んでほしい)

 

つまり、つばさ文庫版の内容は基本的に映画に準拠しているが、完全に同一ではなく、一部に独自の要素、独自の解釈が見られる。
よって ─── このエントリでは つばさ文庫版の記述・設定をもとにして論を展開してきたが ─── つばさ文庫版で明示された「Day 2Day 1 の『翌日』」、「Day 3Day 2 の『数日後』」という設定も、映画と同一だとは限らない。

(つばさ文庫版の著者も、私と同じように Day 13 が「連続した 3日間」だと曜日と服装に齟齬が生じることに気づいて、Day 3Day 2 の『数日後』に設定したのかもしれない)

 

 

この 2つの前提を見直してみて、2つの新たな仮説を考えついた。

まず 1つめの仮説は……

  • 映画のスタッフは
    Day 13 は「連続した 3日間」』
    『ゆうたちが CD を買ったのは発売日』
    『展望台での再会は偶然だった』
    という想定だった。
  • 発売日の曜日とか制服姿の整合性までは考えていなかった。

である。なんてこと言うの千代ちゃん

……でも真面目な話、この作品、劇中の背景にカレンダー等の「日付や曜日を示すもの」が多数 登場する割に 曜日の整合性 については結構 齟齬が見られる。

 

例えば、ゆうが観光ボランティアの活動を始めるために、初めて伊丹たち老人 3人組と会った日。このシーンで、3人組のひとりのガラケーの待ち受け画面には「10/12 (月)」と表示されている。

次に、年が明けて、東西南北がクイズ番組に出演するシーン。収録スタジオのホワイトボードには「1/12 (木)」と書かれている。

しかし…… ある年の 10月 12日 が月曜日なら、その翌年の 1月 12日 は木曜日ではなく火曜日である。
( 1/12 (木) の方を基準にすると、その前年の 10/12 は水曜日になる(参考リンク:曜日計算機 - instant tools

 

また、上の方 で貼った 2枚のキャプチャ画像のカレンダー。

ゆうの自室のカレンダーの方では 2月 28日 は日曜日になっており、(この年はうるう年ではなく、2月 29日 は無いので)当然 3月 1日 は月曜日になるはずである。

だが、ダイニングのカレンダーの方では(ぼやけていて はっきりとは視認しづらいが)3月 1日 が月曜日……ではないように見える(金曜か土曜だろうか?)。

 

……なので、「映画のスタッフは(曜日のことまでは考えてなくて)このように想定していた」という可能性は、十分考えられるかなー……と。

 

 

そして、もうひとつの仮説は……

  • Day 1 は、金曜日
  • Day 2(ゆうが美嘉に会いに行った日)は、その週明け(平日)
  • Day 3(ゆうたちが CD を買って、4人が再会した日)は、Day 2 の翌日( = CD の発売日)

である。

 

Day 2Day 3 が平日なら、これらの日に ゆうたちが制服姿なのは何もおかしくない。

Day 3 が平日なら、この日が CD の発売日であることも不自然ではない(この点に関しては、「CD の発売日は水曜日が最も一般的」ということを考えると、Day 2 が火曜、Day 3 が水曜なのが一番自然かもしれない)。

そして、Day 3 が CD の発売日なら、ゆうが CD を買った後に、同じく CD を買った美嘉たちと展望台で『偶然』再会する確率も比較的高いと言える。

(ただ、その場合でも美嘉・くるみ・蘭子の 3人が一緒にいたのは『偶然』ではなく、やはり美嘉が「一緒に CD を買いに行こう」と声をかけたのではないだろうか。「ゆうも CD を買いに来る、きっと再会できる」という確信があったわけではなくて、「もしかしたら……」くらいの淡い期待だったのかもしれないけど)

 

この解釈なら、他の仮説だと生じてしまう疑問点の多くが解消される。

強いて言えばDay 1 のあと、ゆうが美嘉に会いに行くまでに何日か空いたのはなぜ?」くらいだが、「自分」というものを見失っていたゆうが、考えを巡らせて「美嘉と会って話そう」という選択を導き出し、決心するまでにそれだけの時間を要した……というのは不思議なことではないだろう。

この仮説が、これまでの中で最も合理的な解釈なのではないだろうか。

………… じゃあ、ここまで長々と書いてきたのはなんだったんだ? と言われれば…… それはそう。
でも、これを考えついたの、このエントリを 8割方 書き上げたくらいの時だったんですよね……。
(もっと早く考えついていれば、このエントリ自体 書くことはなかったかもしれない)

( ← スクロールできます → )   疑問点
普通に観ていて認識しがちな(?)時間経過
(制作スタッフもこれを想定していた……???)
Day 1
金曜日
Day 2
土曜日
Day 3 = CD の発売日
日曜日
  • ゆうたちは、なぜ土曜日と日曜日に制服姿だったのか?
  • CD の発売日が日曜なのは、かなり珍しいのではないか?
つばさ文庫版の時間経過 Day 1
金曜日
Day 2
土曜日
CD の発売日
日曜日
Day 3
Day 2 の「数日後」)
  • ゆうと美嘉は、なぜ土曜日に制服姿だったのか?*4
  • CD の発売日が日曜なのは、かなり珍しいのではないか?
  • ゆうが CD を発売日に買わなかったのはなぜ?
  • CD の発売から何日か経っているのに
    「美嘉たち 3人とゆうが 偶然 同じ日に CD を買う」確率はかなり低いのではないか?
    • (3人が、ゆうと会えるまで何日も来ていたというのはかなり不自然なのでは…?)
(第三案) Day 1
金曜日
Day 2
(週明けの平日)
Day 3 = CD の発売日
Day 2 の翌日)
  • Day 1 のあと、ゆうが美嘉に会いに行くまでに何日か空いたのはなぜ?
(まだ見ぬ第四案)

さいごに

いかがでしたか?(いちどやってみたかった)

 

「美嘉って、ほかのメンバーに比べるとちょっとキャラが薄いよな…」なんて思ってたんだけど(彼女に関しては、原作小説からオミットされたと思しき設定やエピソードが結構あるから、その点は不遇ではある)、このエントリを書くためにいろいろ考えてみたら「美嘉は、スクリーンには映っていないところで密かに物語を支えていたのではないか……?」と、考えを新たにしました。

 

この他にも「美嘉・くるみ・蘭子が『方位自身』(東西南北の 2つめの持ち歌になるはずだった曲)の詞を完成させたのは、いつなのか?」とかも考えてたんだけど……流石に長くなりすぎるので、このエントリはここまでにしておきます。

(東西南北の活動末期には、3人とも「アイドル」というものに対してのモチベは下がり切ってたはずだから、この頃には完成させてないんじゃないかな……だとすると、活動休止後……しばらく経ってある程度 落ち着いたくらいの時に……いや、でも実質解散してるんだから完成させる動機が…………もしかしたら、これに関しても美嘉が……? ババハウスでゆうと再会したあと、2人に連絡して、Day 2 の夕方から Day 3 のごく短期間で急遽完成させたとか…………はっ、また長くなるところだった……。)

 

 

*1:劇中での表記は「TAKUYA」

*2:映画の序盤でも同じ番組を聴いているシーンがある

*3:傷心の娘に母親がかける言葉として、それはどうなんだ……?と思わなくもないが、「そんなことないよ」みたいな紋切型の言葉で済まそうとするよりは、我が子に対して誠実に向き合っているとも言えるのかもしれない

*4:つばさ文庫版では、この日のゆうと美嘉の服装については詳しく描写されていない(「ゆうがスカートを履いている」ことがわかるくらい)ため、この問題は生じていない

【トラペジウム / きみの色】神戸女学院大学に行ってきました【聖地巡礼】

 

映画「トラペジウム」で華鳥蘭子が通う聖南テネリタス女学院、および 映画「きみの色」で主人公・日暮(ひぐらし)トツ子たちが通う虹光女子高校のモデルになった 神戸女学院大学 に行ってきました。

 

「トラペジウム」の主な舞台のモデルになったのは千葉県の館山市南房総市だけど、テネリタスの校舎等は神戸女学院がモデルになってるらしい……というのは、エンドロールに「取材協力」としてクレジットされているのを見て知った。

住んでるところから距離的には遠くないけど、女子大か~、一生 縁がないな~……なんて思ってたら、なんと年に数回 関係者以外でも構内を見学できるという( ウィリアム・メレル・ヴォーリズ 設計の校舎等の一般公開ということらしい)。

 

これは行くしかない!!!……と申し込みの受付開始日を心待ちにしていた 8月下旬 のある日、公開直前の「きみの色」に登場する学校も神戸女学院をモデルにしてるらしい…?という記事を見つける(その後、こちらもエンドロールにクレジットされているのを確認)。

かくして、期せずしてダブル聖地巡礼となったのであった。

 

 

大学への道 ~ 見学開始まで

日時は 9月28日 土曜日。

大阪や神戸から阪急神戸線西宮北口駅まで行き、そこで阪急今津線に乗り換えて 1駅 の 門戸厄神 が大学の最寄り駅。
か、かど……もん………… 門戸もんど厄神やくじんえき)(近くにある 東光寺 の別称に由来)。

 

駅の西口を出てすぐ、ローソンから斜めに伸びる小さな川沿いの道を進む。道中の電柱には案内板が付いてたりするので迷うことはないと思うけど、スマホのマップやナビを頼るのが確実(または 大学のサイト )。

 

駅から 徒歩10分 ほどで入口に到着。

 

受付は 10時 からだけど早めに着いた。入ってもいいのか…?とおそるおそる正門に近づくと、守衛さんに門の内側で待つように言われる。この時点で既に 10人前後 が待っていた。

10分前くらいになると、受付場所の講堂に向かうよう指示された。丘陵地に居を構える大学への道は、ちょっとした登山道のようだ。

 

ここ、本当に大学の構内か…?と思いつつ 2~3分 ほど歩くと、急に視界がひらけ、古城のような建物が目に飛び込んできた。

(よく見ると全然「古城」ではないが、そういう第一印象だったということで……)
音楽学部の学生が学ぶ「音楽館」という建物らしい(そのまんま)。

 

ここを越えると、それまでのような勾配はなくなって歩きやすくなる。順路の立て札や貼り紙に従って歩くと、ほどなく講堂がある総務館に到着。

 

係の方に申込時の受付完了メールが表示されたスマホの画面を見せて「文化財維持のための協力費」として 500円 を払い、この日のスケジュール・構内の地図・注意点などが書かれたプリントと、首から下げる見学者証を受け取る。

講堂のロビー(?)には「きみの色」のポスターが設置されてた。

トラペジウムの方はなかった……。まあ絶賛公開中のきみの色と違って、国内で上映してる劇場なくなっちゃったし仕方ない……。*1

 

講堂に入ると………トラペジウムで見たのと同じだ!!! (写真は後ほど)

事前説明が始まる 10時30分 まで座って待ってると、時間とともにどんどん人が増えていく。最終的には…… 200人? 300人? ちょっと数え切れないくらいの人数になってた。

 

時間になって、総務課の方の説明が始まる。この日は現役の学生さんたちが「ツアーマイスター」として、所定の箇所で、所定の時刻に案内をしてくれるとのこと。

説明が終わると、いよいよ見学開始。時間は 13時 まで。

(サイトで事前に公開されてた PDF を見て「ツアーマイスターに連れられて所定箇所を回り、その後は自由行動」というスケジュールなのかと思ってたけど、実際はこの時点から自由に見て回ることができた)

 

 

校内の見学聖地巡礼要素を含まない)

「見学できる」と言っても、もちろん制限がないわけではなく、中に入ることができる建物は講堂がある総務館、図書館など一部のみ。また、総務館より北側は中学部・高等学部の敷地となっており、ここにも立ち入ることはできない。

 

図書館本館

中庭を挟んで総務館の向かいに位置するのが図書館。

1階のホールには大学キャンパスの模型が 2つ置かれている。ひとつは神戸山本通に存在していた 1933年(昭和8年)当時の旧キャンパスの模型。

 

そしてもうひとつは、そこから現在の岡田山キャンパスに移転した当時の模型。こちらは阪神淡路大震災で被害を受ける前の姿を再現しているため、現在のキャンパスとは一部の建物が異なっている。

 

2階は閲覧室。大きな窓がいくつも並び、壁も白塗りなのでとても明るい。そのため自然光のみでも十分に読書ができる。

 

ソール・チャペル

講堂と同じ、総務館にあるチャペル。「ソール」(Searle)というのは、4代目 院長であるスーザン・A・ソールにちなんでいる。天井の梁はロッジのようでもあり、印象的だった。

ちなみに「きみの色」には 2つの聖堂が登場するが、それらのモデルはこのチャペルや後述する講堂ではない(高校内の聖堂は 黒島天主堂 が、ルイが住む島にある聖堂は 旧五輪教会堂 がモデルになっている)。

 

 

トラペジウムの聖地巡礼

映画「トラペジウム」は、アイドルグループを作りたくてメンバーを探している主人公・(あずま)ゆうが、「お嬢様学校なら逸材がいるに違いない」と(別に知り合いがいるわけでもない)聖南(せいなん)テネリタス女学院に押しかけて、勝手に校内へ侵入するところから物語が始まる。なんて主人公だ。

 

正門 から校内に入る
   ↓
講堂 で練習中の合唱部をチラ見
   ↓
中庭を突っ切って 文学館 の前を通る
   ↓
校舎内 をうろつく
   ↓
渡り廊下 を歩いているときにすれ違った華鳥(かとり)蘭子(らんこ)を追いかける
   ↓
テニスコート。なぜか蘭子と試合をすることに
   ↓
試合後、藤棚 にあるベンチに腰掛けて 2人で話し、友達になる

 

ここまで、上映時間にして 約5分。映画全体の上映時間は 約90分 だが、これ以降テネリタスは登場しない。

 

正門

 

こ、工事中………。 …………仕方がない。仕方がないけど、やはり残念ではある。

 

期間は 2022年9月 から 2025年……来年の 8月 まで。3年もかかるの!? と思ったが、この正門自体が重要文化財に指定されているので、やはりそれだけの時間が必要なのだろう。

トラペジウムの公開は今年(2024年)の 5月 だったが、取材時には工事はまだ始まっていなかったのだろうか?
(工事は始まっていたけど今ほど全体が覆われてはいなかったとか、写真等の資料を提供してもらったとかかもしれない)

 

さて、工事の案内板に載っている写真とトラペジウムでの姿を見比べてみると、そもそも立地が違う(神戸女学院の正門は丘陵地の入口、テネリタスは普通の平地)のでそのまんまではなくアレンジはされているが、基本的にはここがモデルになっているのがわかる。一番大きな違いは門衛舎(守衛室)の有無だろうか?

 

(※学校名のプレートにケリを入れてはいけません)

覆いから垣間見える柱の配置や装飾も同じ。

 

よく見ると、上に貼った 1枚目の画像でテネリタスの植え込みの中にある看板も、神戸女学院のものを参考にしているのかもしれない(実物は正門の手前、坂道の入口に立っていた)。

 

講堂

トラペジウムでは合唱部が校歌を歌っていた講堂。ゆうはそれを外からチラ見しただけで、中には入っていない。

収容人数は 約900人。神戸女学院の中学部・高等学部の生徒全員がちょうど入れるくらい(大学の在学生は 約1900人 いるので、こちらはちょっとムリ)。

座面は映画館のシートのような可動式ではなくて固定されている。そのため座席の前後の間隔が狭くて、真ん中の方の席に行ったり通り抜けたりするのはちょっと大変。

 

前方、ステージ横のパイプオルガン。

 

後方、2階席にはさらに巨大なパイプオルガンがある。設置されたのは 1974年。

 

文学館

中庭を囲んで存在する 4つの建物のひとつ。向かいには理学館(後述)がある。トラペジウムでは、ゆうがこの前を通り過ぎた(だけ)。

この日の見学では「建物内見学可(※ただし中で授業が行われている場合は不可)」ということだったのだが……残念ながら「不可」の方だった。


トラペジウムでは文学館のカットのあと、ゆうが校舎内の階段の踊り場に佇んでいるカットと、鉄琴(?)などの楽器がある部屋(音楽室?)が映るカットがあるが、どちらも今回の見学の範囲外だと思われる。

 

渡り廊下

ゆうと蘭子がすれ違った渡り廊下。
総務館の西側、ソール・チャペル近くの出口から伸びていた。大学のサイトの地図 によると、この向こうには体育館などが存在するらしい(見学の範囲外)。

「渡り廊下」って言っても校内に何ヶ所もあるし、ここが見学の範囲内にあるとは限らないよな……とある程度 覚悟はしてたから、見つけたときは嬉しかった…!
(この写真は、ギリギリ「立入禁止」の立て札の手前から撮影できた

 

藤棚(パーゴラ)

テニスコートと藤棚は見学の範囲外。

敷地のいちばん奥にあるテニスコートは仕方ないとして、総務館の裏側にあって距離的に遠くない藤棚はどこかから見られないかな……。結構 好きなシーンだし……と思っていたら、かろうじて渡り廊下の窓越しに撮影することができた。

 

 

「きみの色」の聖地巡礼

「きみの色」の舞台、市街地や港、教会などは長崎県の各所がモデルになっているが、トツ子たちが通う虹光(こうこう)女子高等学校は神戸女学院をモデルにしている。出番の短かったトラペジウムとは違って、「きみの色」では最初から最後まで校内の風景が登場する。

ところで、神戸女学院の校舎群はウィリアム・メレル・ヴォーリズによる設計だが、「きみの色」と同じく山田尚子が監督を務めた「けいおん!」の桜高の校舎のモデルになった 豊郷小学校の旧校舎ヴォーリズ建築なのは有名な話。

これは偶然なのだろうか。それとも、「山田監督がヴォーリズ好きで今作でも神戸女学院が選ばれた」……とかだったりするのだろうか……??

 

理学館

中庭を挟んで、先ほどの文学館と向かい合わせに建っている。

理学館と文学館の窓枠は、片方は戦時中に金属の供出で取られてしまい、戦後 復元したために現在はアルミ製。もう片方はオリジナルのものが残っている。
そのため、両者を見比べると窓枠の風合いが異なっている……ってツアーマイスターが説明してくれてたんだけど、どっちがどっちだったかな……。

 

中庭

写真の左側が北です(建物は上から時計回りに文学館、図書館、理学館、総務館)

もちろんこんな位置から写真は撮れないので、下の方は Google マップのキャプチャです。
見比べると、アニメの美術は実物を参考にしつつも全く同じではなく、中央の噴水の大きさや道の太さなどがアレンジされているのがわかる。

 

吹き抜けのある廊下

講堂を出て、総務館の廊下をソール・チャペルの方に向かって歩いていると……。

!!! 強烈な既視感。
ここって………。

 

「水金地火木土天アーメン」の歌詞が浮かんだトツ子が、それを口ずさみながら廊下をスキップしていると……。

 

2階の窓から見ていたシスター日吉子(CV : 新垣結衣)に声をかけられて滝汗。
………のシーンの廊下じゃん!!

「きみの色」、校舎内のシーンは多いけど、場所の特定は難しそうだし、そもそも見学の範囲外の可能性も高そうだし……ということで撮影の準備(キャプチャ画像の用意)はしてなかった。
けど、ここを歩いてるときに気づいて、急遽その場で YouTube の動画をキャプチャして撮影したのであった。

 

学生寮(北寮)

トツ子たちが生活する寮。
夜、トツ子の手引きできみちゃんが忍び込むシーンや、ライブシーンの後、トツ子がこの寮の中庭でジゼルを踊って「自分の色」を見つける心象風景っぽいシーンが印象的。

 

さて、見学の予習として当日に回りたい箇所を事前に調べていたのだが…………この寮が一体どの建物をモデルにしているのかがわからない。

2階建てで菱形の建物、それに囲まれた中庭。
すごく特徴的で、地図に載っていればすぐに見つかるはずなのだが、Google マップ大学のサイトの地図 を見ても一向にわからない。

見学中に見つけた案内図

また、実際の神戸女学院の学生寮 は鉄筋コンクリート造の 4階建てで、「きみの色」に登場した寮とは似ても似つかない。

もしかしたらこの寮は実在せず、神戸女学院の建物の様式を参考にして描かれた架空の寮だったりするのかもしれない……。

 

 

 

 

 

…………なんて思いつつ、見学当日。
図書館本館 1階で大学キャンパスの模型を見ていたら……。

 

 

これじゃん!!!

 

模型の説明文によると……

岡田山キャンパス模型

景観模型工房制作
2008
神戸女学院所蔵

1933(昭和8)年移転当時の岡田山キャンパス。ヴォーリズ博士設計の17棟のうち、1995(平成7)年の阪神淡路大震災で大きな被害を受けた、当時の北寮、東寮、実習館、グリーンウッド館、岡田山ロッジは取り壊され現存しない。

 

つまり、この寮は「実在」はしていたが、「現存」はしていなかった のか。
そりゃ、いくら地図を探しても見つからないわけだ……。

しかし、なぜ今では存在しない寮が映画に登場したのだろうか。取材の過程でスタッフがこの寮の存在を知ったのだろうか……?

 

 

 

帰宅後に調べてみると色々なことがわかった。

この寮は「北寮」。ここでは大学生が、その隣にあった「東寮」では中高部の生徒が生活していた。
その美しさから多くの学生に、そしてそれ以外の人々からも愛された寮だったようだ。

以下は参考にさせていただいたブログと PDF。

 

 

上記の通り、吉永小百合 主演映画のロケ地として神戸女学院、そして北寮が登場しているらしい。
タイトルは「あすの花嫁」。1962年(昭和37年)公開で、原作は「二十四の瞳」で有名な壺井栄

……で、なんとアマプラの見放題にあった。

 

実際に観てみたのだが、明るい学園生活の話……では全然ない。結構ドロドロしている……。
日活の公式サイト にかなり詳細なあらすじが掲載されています)

主人公・百合子が生まれ育った小豆島から離れて入学した神戸の短大・藤蔭(ふじかげ)女学院 のロケ地として神戸女学院が登場する。が、入学後も夏休みには里帰りをしたりして小豆島のシーンがかなり長く、どちらかというと物語の主な舞台は小豆島の方のように感じた。

 

北寮の中庭。「きみの色」に登場したものとそっくりだ。
「きみの色」のスタッフも、美術資料としてこの映画を参考にしたのではないだろうか……?
(ただ、「あすの花嫁」の方には中央に噴水が無いように見える)

この映画には、これ以外にも正門、総務館、中庭(北寮の中庭ではなく、4つの建物に囲まれた方)、藤棚、北寮の食堂などが登場している。

 

 

その他いろいろ

文学部 2号館にはセブンイレブンがある。この日は 11時 からの営業で、見学者も利用できた。
基本的に普通のセブンと変わらないけど……

 

神戸女学院のオリジナルグッズが売られてたりする。一部の商品は 通販 で買えるけど、オリジナルブレンドの紅茶やレトルトカレーなど、ここでしか買えないものもある。
(学校内の購買部でも売られてるみたいだけど、例によって今回の見学の範囲外)

自分はクリアファイル 3種とポストカードセットを 3個ずつ、それと紙袋 2種を買いました。
クリアファイルが 120円(税込) ってめっちゃ安くないですか。
アニメグッズだったらクリアファイルで 500円 は取られますよ!?

 

セブン近くの貼り紙。
カラスが狙っているのか……。

 

部活の部員募集の貼り紙。自分にはこんな青春はなかった……。

 

 

まとめ

同じ年に公開された 2つのアニメ映画が、同じ学校を舞台のモデルとして採用していて、その両方の映画を自分が観に行って、モデルとなった学校が自分が住んでるところから遠くなくて……と、いろんな偶然が重なって実行に至った今回の聖地巡礼。さらに言えば、自分が「聖地巡礼」というものに興味がなかった 2年前なら行っていなかったかもしれない。

 

実際に足を運んで体感した神戸女学院は、現代ではないような、日本ではないような……どこか現実離れした、不思議な空間だった。作品の舞台として登場させたくなるのもよくわかる。

行って良かったな~と思うけど、いくつか心残りもある。
まず、この日は薄曇りでそれほど きれいには晴れなかったこと。まあ、雨が降らなかっただけ御の字ではあるけど……。
それに、藤棚など、見たかった場所のいくつかが見学の範囲外だったことと、正門が工事中だったこと。
あとは、トラペジウムの公式が YouTube で公開してる動画にテネリタスのシーンがあんまりなくて、講堂や文学館をキャプチャ画像と見比べて撮影できなかったこと(「きみの色」の方は結構 豊富だったけど)。

 

……ということで、またいつかリベンジに訪れたい!
キャプチャ画像は トラペジウムの円盤 が発売される年末以降、正門は工事が終わる来年 8月以降。
それと、「ヴォーリズ建築の一般公開」以外にも見学の機会があって、場合によっては今回の見学では範囲外だった場所を見ることもできるとか。
直近だと、10月下旬の大学祭…………えっ、もうすぐじゃん!?

 

 

 

岡田山祭(大学祭)にて【2024/10/25 追記】

……ということで、上記の大学祭「岡田山祭」に行ってきました(10月 25日・26日の 2日間 開催で、自分が行ったのは 25日)。

入場時に受付でもらったパンフレットの表紙

 

写真撮影については、

  • 芸能人を招いてのイベントでは禁止
  • 部活の舞台発表では原則禁止、事前に申請した者のみ可

という案内が公式から出ていたんだけど、「それ以外の場合はどうなの…?」と思って問い合わせてみたところ、「校舎などは撮影しても大丈夫」という回答をいただきました。

 

実際に行ってみると、

  • 前回の訪問では入れなかった区域、建物にも入れた(自分が確認したのは文学館の屋内と、藤棚やテニスコートがあるエリア)
    • いただいた回答の通り、校舎内(の部活の展示とは関係ないところ)は比較的自由に撮影できた
  • 逆に、前回は入れた図書館には今回は入れない。また、今回も理学館には入れない
  • 中庭にはステージが設営されてたり模擬店のテントがあったりしてもちろん入ることはできるが、写真撮影は一切禁止(注意の立て札が立ってる)

みたいな感じでした。

詳しい注意事項は入場時にもらうパンフレットに書いてあるので、要参照。
また、現地では実行委員、警備スタッフ、教員等関係者の指示に従いましょう。

 

総務館の渡り廊下のゲート(きみの色)

総務館と文学館をつなぐ渡り廊下を抜けて、中庭へと通じるゲート。

前回来たときも「これ、どこだろ?」と探してたけど、視界には入ってたはず……なんならここを通り抜けたかもしれないのに、気づかなかった……。
(「あすの花嫁」を観てて「ここじゃん!!」って気づいた)

 

文学館の階段(トラペジウム)

トラペジウムの「ゆうが校舎内の階段の踊り場に佇んでいるカット」、「校舎内」というだけでは特定するのが困難だし、今回も入れない建物の可能性もある。

そこで、事前に「神戸女学院 階段」で画像検索 してアタリを付けてから行くことにした。

すると、前回の訪問時に見かけた総務館の階段、初めて目にする螺旋階段(図書館本館にあるそうだけど、おそらく前回の見学区域外)などに混じって、なんだかそれっぽい階段の写真があった。
……文学館?

 

ということで、現地で撮影したのがこちら。たぶんここかな……?
(文学館の階段は 2ヶ所あるけど、たしかトラペジウムのは踊り場にドアがある方だった気がする)

 

テニスコート(トラペジウム)

ゆうがスパイ疑惑をかけられて蘭子と試合をすることになったテニスコート

もちろんフェンス内には入れない。あと、自分が撮影したときは運良く無人だったけど、中で試合とか練習をしてるときの撮影はやめときましょう。

 

藤棚(トラペジウム)

テニスコートでの試合のあと、ゆうと蘭子がベンチで語り合った藤棚。

 

BGM : Gold Ingot

 

(完全に余談だけど……ゆうと蘭子が腰掛けてたと思しきベンチに座ってお弁当食べてたら、急に風が吹いてビニール袋が後ろに飛ばされて「東ゆうじゃん!!!」ってなった(振り返っても美嘉たちはいませんでした)(袋はちゃんと回収しました))

 

 

*1:この 2日前(9/26)に、現時点で国内最後の劇場上映が終了

化け猫あんずちゃんを観ました&読みました

 

 

映画を公開初日に観に行って「面白かった〜」ってなって、その翌日 原作漫画が無料公開されてる(※現在は終了)のを知って読んだら「えっ…!?」ってなって、それから初回鑑賞の1週間後に映画をまた観に行きました。

 

www.youtube.com

 

 

映画のあらすじは……

借金取りに追われる父に連れられて、東京から南伊豆の池照町 (いけてるちょう) にやって来た少女・かりん(小5)。父の実家である寺に身を置き、祖父の世話になることになったのだが、そこには言葉を話し、2本足で歩いてバイクの運転までする化け猫・あんずちゃん(※オス)が暮らしていた。当初はその異様な存在に戸惑うがすぐに慣れ、現地の小学生男子や職探しに苦労する中年男性(よっちゃん)、さらには森に住む妖怪たちとも出会い、それなりに楽しくも漫然と日々を過ごすかりん。しかし、約束していた母親の命日になっても、父はかりんを迎えに来なかった。痺れを切らしたかりんはあんずちゃんと一緒に父を探しに、そして母の墓参りのために東京へ向かう。

……みたいな感じ。

 

タイトルは「化け猫あんずちゃん」だけど、映画の実質的な主人公はかりんの方と言ってもいいと思う。

この2人(?)の関係はドラえもんのび太、キテレツとコロ助、Q太郎と正ちゃん……のような、一連の藤子不二雄作品に似てる気がした。(ただ、藤子作品では「主人公が暮らしているところにマスコット的な居候が転がり込んでくる」のに対して、本作では逆に「あんずちゃんが暮らしているところにかりんがやって来る」と、逆の構造になっている)

 

作画面では、ロトスコープでの制作というところが大きな特徴。通常のアニメ作品で一部にだけロトスコープを採用すると、そこだけ妙にヌルヌルしてたり、動きが生々しかったりして違和感があったりすることもあるけど、全編ロトスコープ*1の本作ではそういうことはない。むしろ自然すぎて、言われないとロトスコープでの制作だと気づかない人もいるかもしれない。

www.youtube.com

 

セリフの録音もロトスコープでの実写撮影と同時に行われたようで、これによってより臨場感を感じられたシーンもあったけど、音が籠もって聞こえづらくなってしまってるシーンもわりとあった。全然なに言ってるか分からない……という程ではないものの、ここは少し残念。

 

作品全体の感想としては……かりんちゃんがかわいい! 祖父である和尚さんや森の妖怪たちの前では「いい子」を演じる一方、あんずちゃんや男子2人に対してはけっこう辛辣でスレた一面を隠さない。そんな二面性も含めて魅力的なキャラクターだった。

←ぶりっ子かわいい│ジト目かわいい→

 

……で、観たあとに帰宅してスマホを触ってると、コミックDAYSで原作漫画が無料公開されてる(※現在は終了)のを知った。最終話のみ要ポイントだったけど、これもサイト上でポイ活すればすぐに貯まったので、せっかくだから……と読んでみて、驚いた。

 

かりんちゃんがいない……!?

 

 

原作漫画は、映画の前半、かりんちゃんが池照町で過ごすエピソード群からかりんちゃんの存在を消したような……いや逆だわ。原作漫画のエピソードを再構成して、そこにオリジナルキャラであるかりんちゃんの存在を(違和感なく)加えたのが「映画『化け猫あんずちゃん』」(の前半)なんだわ。

 

こういうフォーマットって、なんか覚えがあるような……と考えてみて、思い至ったのはアレ。

ほら、昔アニメのゲーム化……いわゆる「キャラゲー」でよくあった「アニメ(等の原作)のストーリーをそのままゲームに落とし込む」んじゃなくて、「ゲームオリジナルの主人公を登場させて、そのキャラの視点でアニメのストーリーを追体験させる」みたいなやつだ(で、プレーヤーの選択によっては「if」のストーリーも……みたいな)。

「よくあった」とか書いといて、「自分で過去にそういうのを遊んだ」という具体例が挙げられないんだけど……。あ、自分は未プレイだけど、最近 ファミ通.com の記事で読んだ PS2NANA はまさにこのフォーマットっぽい。

www.famitsu.com

 

 

かりんの存在以外にも細かい差異はいくつもあるけど、一番大きいのは和尚さんの奥さん(おかみさん)の存在。原作漫画では普通にレギュラーキャラだけど、映画本編には一切登場しない。あんずちゃんが化け猫ではなく普通の猫だった頃の回想シーンには姿が映っているが、その直後のシーンでは病床に臥せっているような写真が出てきている。劇中で特に明言はされないが、早くに亡くなってしまった設定になっているのかもしれない。

(左から)原作漫画 第2話、映画の回想シーン、意味深な写真

 

あと、和尚さんの息子、かりんの父親である哲也。おかみさんとは逆に、原作漫画ではこちらが最後まで本編に登場しない。物語冒頭の回想シーンに出てきて、「何年も前に『プロレスラーになる』と出て行ったきり帰ってこない」という背景が語られるのみである。すごく伏線っぽい気がするんだけど……掲載誌であるコミックボンボンが連載中に休刊になってしまって、登場させる機会がなくなってしまったのだろうか……?

で、映画の方だと、家を出て行った理由については特に触れられない。かりんを連れて突然帰ってきたかと思ったら、父に金の無心……。どっちも親不孝感がすごい。一応は帰ってきて、孫の顔を見せただけ映画の方が…………いや、うーん……。

 

 

映画の後半は、かりんとあんずちゃんの2人(?)で東京を訪れて、なんやかんやあって地獄にいるというかりんの母に会いに行く……という完全なオリジナル展開。のんびりとした前半とは打って変わって、あんずちゃんの(原作には登場しない)意外な姿、首都高でのカーチェイスと目まぐるしい展開が続く。さっき名前を出したドラえもんで例えるなら、前半がTVシリーズ(日常回)だとすると、後半はまさしく「劇場版」。

 

死んだ母に会いにあの世へ……というと、イザナギイザナミの神話(母じゃないけど)や、最近だと「君たちはどう生きるか」なんかを思い出す。『異界』を訪れるというのは、物語におけるひとつの類型ではある……いや、よく考えたら映画の前半で既に『異界』を訪れてるんだわ、かりんちゃんの視点だと。「池照町」という異界に。

 

化け猫であるあんずちゃんが普通に暮らす。警官に呼び止められた……かと思ったら「無免許運転はダメだよ」とたしなめられて解放される(そもそも免許が取れるのか…?*2)。明らかに異様な姿の妖怪たちがゴルフ場でキャディーのバイトをしている。……それが池照町。

そんなあんずちゃんや妖怪たちだが、外から来た『よそ者』であるかりんの身の上話を聞いてもらい泣きをしたり、「かりんちゃんのためにお金を貯めよう」とバイトを始めたり、なかなか就職できないよっちゃんのために親身になったり、かりんが行方不明になったら夜遅くまで探し回ったりと、人間以上に人間臭い存在としても描かれている。

(普通にバイトしてる……)

 

普通に「そういう世界観の作品なんだ〜」と思って観ていると、後半の舞台である東京はそうではないことに気付く。妖怪なんて出てこない(例外として、超常的な存在は1人(?)登場するけど、普通の人間には感知できない)。まさに『現実』そのままの東京として描かれている。

 

せっかく訪れた東京でも(詳しくは書かないけど)かりんは散々な目に遭う。父の行方も知れず、池照町の妖怪たちのように親身になってくれる人は誰もいない。失意のかりんは、かつて親しかったある人物に会いに行くが……(同じく詳しくは書かない)。この点でも対比を見て取れる。

原作の舞台である池照町から見ると東京は、そして映画オリジナルパートの舞台である東京から見ると池照町は、互いに『異界』である……という構造を見出すことができる。

 

そして、もうひとつの『異界』である地獄。一見、東京と同じように整然とした世界のようだが……そこは地獄は地獄。住人である鬼たちと彼らのボスである閻魔大王の行動原理は、まさにヤクザのそれである。

(……ところで、「かりんの母親はなぜ天国ではなく地獄にいたのか」というのはすごく気になる。そんな悪人だとはとても思えないんだけど……。ただ、責め苦を受けていたわけではなく、清掃の仕事に従事させられてたから、扱いとしてはまだマシな方だったりするんだろうか。「余程の善人でないと天国には行けない」みたいな設定なのだろうか……??)

 

 

映画のジャンルも、舞台の移り変わりとともに目まぐるしく変化してゆく。池照町ではのんびりとした田舎の日常を描いた……なんて言えばいいんだ、ヒューマンドラマ? コメディ? ……で、東京ではロードムービー、そこから向かった地獄ではスパイ映画ばりの潜入ミッション、再び東京に戻ってきたらアクション大作顔負けのカーチェイス(ヤクザ映画のテイストも若干ある)。

(ところで、地獄から東京に戻ってきた後は、カーチェイスやらなにやら かなりしっちゃかめっちゃかにやらかしてたけど、後始末は大丈夫なんだろうか? 物損もあったし、目撃者もかなりいたはずだが……。こういう時は「目撃者の記憶を消す」というのが定番だけど、閻魔大王の力をもってすればそれくらいは難なく処理できるんだろうか)

 

 

そしてキャラクターデザインの面でも、原作漫画から登場する池照町の住人たちと、(「池照町の外(東京)から来た部外者」、「原作漫画の外の世界から来たオリキャラ」という二重の意味で)アウトサイダーであるかりんとでは明確に異なっている。

 

原作から登場するキャラは、もちろん基本的に原作に準拠したキャラデザになっている(全体的にやや頭身は高くなっているが)。

一方、オリキャラであるかりん。目はぱっちりと大きくて「美少女」と形容してもいいくらい(実際、劇中でも小学生男子2人が手玉に取られている)。彼女は「原作漫画に登場しそう」……にないキャラデザである。

 

恐らく、久野遥子監督自身の画風の延長なのだろう。少し前にやってたマクドナルドと魔女の宅急便のコラボCMのキキに、かりんちゃんの面影を感じる。

(あんずちゃん初回鑑賞後にWikipediaの久野監督の項目を見て「同じ人だったの!? ……言われてみれば確かに似てる…」って驚いたんですけど…)

www.youtube.com

 

 

……思ったより長くなってしまった。

 

まとめると……映画「化け猫あんずちゃん」は、もちろん単体でもすごく面白い作品である。あんずちゃんや妖怪たちは小さい子供にも受け入れられるキャッチーなキャラクターだし、人情話や親子愛とかのホロっと来る要素もあるし、かりんちゃんはかわいい。様々なジャンルを内包していて、いろんな客層・年齢層に刺さる映画だと思う。

その上で「かりんちゃんを始め、原作漫画からすると『異物』であるオリジナル要素が存在していて、それらが原作由来の要素と対立することなく同居している」という構造を意識すると、より楽しめる……と思いました(小並感)。よく考えたら、ロトスコープ自体が二次元と三次元という『異次元』を融合させる制作手法だしね。

 

 

最後に関連情報まとめ。

原作漫画は  Kindle を始め、各種電子書籍サイトで配信中。紙の本は……今のところ増刷予定はないらしい。……えーっ、映画化という絶好の機会なのに!?

で、映画化に伴って、原作漫画の17年ぶりの続編がコミックDAYSで連載開始された。今なら無料で追いかけられます。映画のストーリーの続きではないので要注意。

鈴木慶一による音楽も魅力的な本作だけど、サントラについては今のところ特にアナウンスはない。……まあ、まさか出ないということはないと思うので、気長に情報を待とう。

佐藤千亜妃による主題歌「またたび」は配信中

映画「化け猫あんずちゃん」は、全国の劇場で公開中です。

 

 

*1:一部、ロトスコープを用いていない完全手描きのシーンもある

*2:普通に取れることが原作漫画の続編で明らかになった。

大垣に行ってきました (+α)【青ブタ聖地巡礼】

前回のエントリ でプレキャンペーンに参加した青ブタコラボ企画 「青春ブタ野郎は大垣の街をまだ知らない」 の本イベントで大垣に行ってきました。

日程は 2月 9日 (金) ~ 10日 (土) の2日間。
距離的には、早朝に家を出ればギリギリ日帰りで行けなくもないんだけど、余裕を持って1泊することにした。

スケジュール的には在来線だけでも全然大丈夫……なんだけど、プレキャンペーンに引き続き本イベント期間中にも(前回とは別の)新幹線乗車特典があるので、一部区間だけ利用。

今回は 京都 - 米原間の乗車で達成

 

JR大垣駅構内ではイベントのポスターや横断幕が掲示。テンションが上がります。

コンコースではポスターを複数掲示

 

北口側の通路には横断幕とフラッグ

 

 

推し旅

今回のイベントは JR東海による各種 IPとのコラボ企画である 「推し旅」 のひとつ。

プレキャンペーンの段階では本イベントの詳細は不明だったが、フタを開けてみればかなり盛り沢山な内容だった。
(もし日帰りで強行していたらイベントをこなすのに精一杯で旅を楽しむ余裕はなかっただろうから、1泊2日にしたのは結果的に正解だったと思う)

 


 

スタンプラリー

スマホに専用のアプリをインストールして参加するデジタルスタンプラリー。参加無料。全7ヶ所をコンプリートすると所定の場所で記念品をもらえる。
「水都」と呼ばれるだけあって、噴水や泉など、どのポイントも水に関連していた。

 

水都の泉

大垣駅の南にある噴水(調整中なのか水は出てなかったけど……)。

 

高屋稲荷神社

境内には澄んだ水が流れる手水場(?)がある。

 

栗屋公園

かなりこぢんまりした公園で、目の前を通ったのに気づかずしばらくウロウロしてしまった…。
綺麗に整備されてて、園内には小川のような水路が流れている。

 

園内に設置されてる掲示板より。普通にためになる

 

名水大手いこ井の泉緑地

郭町商店街の一角にある泉。

 

丸の内公園

大垣市役所西側の川沿いの敷地が公園として整備されている。

 

俵町薬木広場

大垣で活躍した本草学者・ 飯沼慾斎 の胸像が設置されている。

……はい、カンニングしながら書いてるのがバレバレですね…(すみません)

 

むすびの泉

奥の細道むすびの地記念館」の敷地内にある泉。

……なんだけど、この泉に近づいてもアプリが反応しなくてラリーのスタンプが押せない……。困惑しながら辺りをウロウロしてると、記念館の建物付近で反応が……!(参加予定の方は要注意)

 

スタンプをコンプリートすると、上記記念館内の売店で景品がもらえる。

両面にイラストが印刷されたアートボード……「ボード」というか、大きめのカードみたいなもの(A5サイズくらい)。

 

これでスタンプラリーは完了……かと思いきや、何気なくアプリを触ってると……

追加スポット!?
(これ自分はたまたま発見できたけど、7ヶ所コンプで景品もらったあと、気づかず大垣を発ってしまう人も割といそうな気が……。なんかわかりやすい演出があった方がいいと思います)

 

水都北口オアシス

今回のイベントで唯一、大垣駅の北側に存在するスポット。
ここのスタンプを押すと、アプリ内からスマホ用の壁紙がゲットできた。

 


 

ARラリー

指定の6ヶ所に行くと、アプリ内からその場所に対応したキャラのAR写真が撮れる。

 

新大橋

大垣駅通りのほぼ真ん中にある橋。対応キャラはのどか。

 

水の都おおがき舟下り 受付・乗船場

オフシーズンのため目印となるものがなく、「受付・乗船場」というのがどこだかわかりにくかった…。
龍の口橋を渡って川の南側、「大垣高等女学校発祥の地」の石碑があるあたり。対応キャラは花楓。

 

大垣城

駅から順番にラリーを回っていくなら、大垣駅通りを南に歩いていくと右手(西側)に突然現れる(こっちは裏口(?)で、南側の大垣公園から入っていくのが正規ルートっぽいけど)。
対応キャラは麻衣さん。

 

四季の広場

北から南に流れてきた水門川が一旦 東に折れ曲がる地点に整備されている広場。対応キャラは古賀。
撮影ポイントは広場内のどこでもいいのかと思いきや、むしろここは特に判定がシビアでなかなかキャラが出現しなかった……。たぶん電話ボックス付近だと思うんだけど、そこでも出たり出なかったり……。

写真の左右に妙なものが写ってますが…(後述)

 

住吉燈台

江戸時代から大垣の水運を支えていた木造の灯台。対応キャラは双葉。

 

スーパーホテル大垣駅

ビジネスホテル。歴史があったり景観が良かったりする他のスポットと比べると、ここだけ浮いているが……?(後述)
対応キャラは咲太。

 

この ARカメラ、残念ながら操作性とか UXの面でいくつか改善すべき点があるかと思います…。

  • ARキャラを画面内に配置する際の操作性があまり良くない
  • スマホを横持ちにして撮影しても、保存した写真の向きが縦向きのまま
  • 写真の縦横比が妙に細長い(648 x 1411ピクセル
  • アプリ内のカメラ自体の画質が良くない(すごくボヤけてる)
    • (自分の環境だと、保存後のファイルサイズは最大でも130KBくらいだった)
  • 前述の通り、場所によってはキャラの出現スポットがわかりにくかったり、判定が厳しかったりする。もっとゆるゆるでいいと思います…。

 

そして、これがいちばん致命的なんだけど……シャッターボタンを押したあとに写真が保存できない症状が発生する。
「シャッターボタンを押す → 共有するアプリ一覧が出る → 選択して保存」というのが正常な流れだけど、このアプリ一覧が出ない。

左が正常時、右が症状発生時。真っ白……

一旦この症状が発生すると、アプリを終了しても、スマホを再起動しても治らなかった。……かと思いきや、泣く泣くあきらめて次のスポットに向かうと治ってたりする。で、しばらくするとまた発生する……。

おま環なのかと思ったけど、持って来てたサブの端末でも発生するんだよね……。共有アプリを選ぶ形式じゃなくて、単純に「ダウンロードフォルダに保存される」だけの仕様じゃダメだったんだろうか…?

(症状発生時は、シャッターボタンを使わずにスクショを撮ることで一応は保存できる。アプリのUIも一緒に写っちゃうけど……(四季の広場での古賀の写真がそれ))

(余談だけど、キャラが出現しているときにそのイラストを長押しすると……?)

 


 

グルメラリー

指定の10店舗で対象の商品を注文、または購入すると、会計時にアニメの名場面が印刷されたカードがもらえる。「ラリー」という名前だけど、コンプリート特典は存在しない(たぶん)。自分が回ったのは4店。

 

パスタハウス・スズヤ

対象メニューはたらこ生クリームパスタ。(1日目の昼食)

 

中華食房 チャングイ

対象メニューは担々麺。(1日目の夕食)

 

金蝶園総本家(郭町)

対象商品は金蝶園饅頭(5個入)。同封の説明書きの通り、レンジかトースターで温めて食べるとおいしい。

金蝶園総本家(大垣駅前)

対象商品はいちご餅(4ヶ入)。新鮮ないちごを使っててすごくみずみずしい。要冷蔵商品なので、お土産として持ち帰る場合は要注意。

 

古賀、麻衣さんと咲太、双葉(2種)

自分が手に入れたカードはこの4枚。お目当てだった花楓のカードは出なかったよ……。
種類は「購入するたびにランダムで選ばれる」のではなくて「その店でどのカードがもらえるかは固定されている」っぽい(あるお店でもらう時に、同じ絵柄のカードの束が見えてしまった)。

 


 

ポスター等の展示

冒頭で触れた大垣駅の他にも、市内各所で今回のイベントのポスターが掲示されている。自分が見た限りでは、グルメラリー参加店の店頭には確実に掲示されてた。

左上から金蝶園総本家(大垣駅前)、大手いこ井の泉、むすびの地記念館、大垣城、金蝶園総本家(郭町)、パスタハウス・スズヤで撮影

 

また、大垣駅通りにある「大垣市観光情報PRコーナー」のショーウインドウでは等身大POPの展示とアニメの名場面の紹介。(知らない人がこれだけ見てもなんだかわからない気もするけど…)

 

奥の細道むすびの地記念館」の館内では、6人分の等身大POPが一堂に会して展示。

 


 

グッズとか

上記記念館の売店ではイベント限定グッズを販売。自分が買ったのはクリアファイル、アクスタ、アクキー2種。

売り切れになっててもイベント期間中の再入荷があったり、 イベント終了後の通販も予定されてる そうなので焦らないように。

 

また、2000円以上の購入でポストカードがもらえる(1会計につき1枚)。

 

新幹線乗車特典はJR大垣駅構内の西美濃観光案内所で引き換え。
プレキャンペーン特典はクリアファイル、イベント期間中の特典はカードサイズのステッカー(こちらはまだ入手可能)。

 

西美濃観光案内所やグルメラリー参加店で配布されているイベントマップ。広げるとA3サイズくらいでかなり大きい。 公式が作成したほぼ同内容の Google マイマップ もあるけど、やはり紙の地図があると便利。各所を回る前に入手しておくのがオススメ。

 

 

聖地巡礼

そもそもなんで大垣で青ブタのイベントなのかというと、縁もゆかりもないわけではなくて、作品の舞台としてちゃんと登場するからなのだ。

原作小説の第1巻、アニメだとTVシリーズの第2~3話に

「咲太以外の誰からも存在を認識されなくなってしまった麻衣。『どこか遠くの街に行けば、まだ麻衣の姿を見られる人がいるかも知れない』と2人で電車に飛び乗り、在来線を乗り継いでたどり着いたのは大垣だった。駅前のビジネスホテルに宿を取り、近くのコンビニまで替えの下着や食事を買いに行く。そして朝になると駅に直行して藤沢に引き返す」

というエピソードがある。(なので、ラリーで回った名所とかは全然登場しないんですけど……)

今回の聖地巡礼では こちらのエントリ を参考にさせていただきました。

 

原作小説

原作小説で、具体的な場所の特定に繋がりそうな記述は以下の通り。

 

 大垣駅のホームに降り立ったのは、とっくに日付も変わった零時四十分頃。

 (中略)

 なんとなく南口へ出て、バスロータリーの辺りまで歩いたところで立ち止まる。何もない駅だった場合、どうしようかと思っていたが、市の中心地らしく駅ビルや商業施設が並んでいた。これなら今夜の宿くらいどうにかなりそうだ。

 (中略)

 色々と考えはしたものの、咲太は無難なところで駅前のビジネスホテルを頼ることにした。
 部屋が空いているかを尋ねると、フロントのおじさんには怪しい目を向けられた。殆ど手ぶらの高校生が深夜に泊めてほしいと言ってきたのだから当然の反応だ。

 (中略)

 フロントを避けて、裏の出口から咲太は麻衣とホテルを出た。高校生のひとり旅はさすがに目立つ。チェックインの際に向けられた疑惑の視線は減らしておくに越したことはない。

 (中略)

 左右の通りを確認する。駅から離れる方向に約五十メートル。緑色の看板を掲げたコンビニの明かりが見えた。自然とふたりの足がそちらを向く。

 

大垣駅の南側で「駅前」と呼べる範囲にあるビジネスホテルは アパホテルくれたけインスーパーホテルクインテッサホテル の 4軒。しかし「ホテルから見て『駅から離れる方向に約五十メートル』の地点にコンビニがある」という条件を追加すると、どれも当てはまらなくなってしまう。

青春ブタ野郎シリーズは執筆に際してかなり綿密な取材をしていて、固有名詞を出していなくてもその記述内容だけで特定可能なモデルが存在する場合が多い。が、大垣のホテルとコンビニに関しては原作小説の段階では明確なモデルを設定しなかったのかもしれない。
(刊行(2014年)の時点では、記述通りのホテルとコンビニが存在した……という可能性もなくはないが…)

 

コミカライズ版

TVアニメに先駆けて2015年から連載が始まったコミカライズ版。大垣でのエピソードが描かれたのは全20話の終盤にあたる第16・17話(2017年11月発売号・2018年3月発売号に掲載)。
こちらでは実際の街と同様の風景が描かれており、ホテルとコンビニも実在の店舗をモデルにしている。

JR大垣駅現在の駅ビルの名称は「アスティ」だが、2018年 8月までは「アピオ」だった

 

西美濃観光案内所。リニューアルされたっぽい… (以前の姿はこちら)

 

スーパーホテル(漫画だと「スーパービジネスホテル」)。大垣駅からは徒歩5分くらい

 

スーパーホテル付近の街並み

 

コンビニへと向かう道中。ホテルから道を渡ってすぐの駐輪場

 

十六銀行(漫画だと「六十六銀行」)

 

左側に見えるのは「スイトテラス」という再開発ビル……らしい

 

ローソン S大垣駅南口店。 最初、漫画と見比べて「モデルはここではない…?」と思ったけど、これ写真を左右反転させて使ってますね(奥にあるOKB(大垣共立銀行)の看板に注目)

いま気づいたけど、スーパーホテルからローソンまでだと、道を渡ってから駐輪場の中を突っ切って行くのが最短ルートかもしれない……(「絵的にどうなんだ」というのは置いといて)

 

アニメ版

2018年 10月放送開始のTVアニメでも、コミカライズ版を踏襲して宿泊先のモデルはスーパーホテルっぽい(AR撮影のスポットに選ばれたのはそのせい)。
が、コンビニへ向かうルートが変わっていたりと相違点も多い。

駅名標。JRのロゴと駅番号の表記が省略されている

 

改札口

 

ホテル。外観はこのワンカットしか登場しないので「本当にスーパーホテルがモデル…? 微妙じゃね?」と思わなくもないが、「原作小説」の項で挙げたほかの3軒の外観は明らかに違うので…

 

内装

アニメだと内装は「一昔前の典型的なビジネスホテル」という風情だけど、実際はかなり綺麗だった。……はい、ここに泊まりました。

劇中だと咲太が客室から友人に電話をかけるシーンがあるけど、スーパーホテルの客室には電話機自体が存在しない。また「備え付けの時計が数分遅れていた」というくだりもあるが、もちろんそんなことはなくてキッチリ正確だった。

 

アニメ版のコンビニの外観、なんだけど……

コミカライズ版のローソンとは明らかに違う。店名やデザインの元ネタは セーブオン っぽいけど、岐阜県に店舗が存在したことはなさそう(たぶん)。チェーンにこだわらず探しても、ホテル近辺に類似する外観のコンビニは(少なくとも現在は)存在していないようなので、特にモデルはないのかもしれない。

 

コンビニからの帰路。参考にさせていただいたエントリにある通り、場所のモデルは新大橋より北側のアーケードのようだけど、店舗は架空っぽい…?

 

同シーンの別カット。……指が写り込んでる…。(痛恨のミス)

 

JR大垣駅。水都タワー越しのアングル

 

大垣駅前、商店街の入口にあたる場所。左に見えるのは金蝶園総本家

 

(おまけ)今回のイベントのキービジュアル。 「OKB street」というのは郭町商店街の愛称

 

 

ふつうの大垣観光

大垣駅からスタンプラリーとARラリーを並行して進めていくと、何度も橋を渡ったり川沿いを歩いたりすることになる。地図を見ると、大阪の市街地のように何本もの川が縦横に流れているのではなく、「水門川」という1本の川に沿うようにポイントが設定されていることに気づく。水は澄んでいて、川底に生える水草が流れにゆらめく様子を見ることができる。

 

大垣城の外堀として作られたというこの川には石造り、鉄製、木造(風?)、朱塗りとバリエーション豊かないくつもの橋がかかり、川沿いを散策していて飽きることがない。

左上から外側橋、東外側橋、高岡橋、龍の口橋、美登鯉橋、虹の橋、京橋、貝殻橋、住吉橋

 

ただ、川下りができなかったのはちょっと残念だったな~、まあオフシーズンのイベントだから仕方がないけど……とか思ってたら、 イベント最終盤(3月下旬)にそれも追加された。 抜かりない……。

 


 

大垣は松尾芭蕉の「奥の細道」の終着点(むすびの地)ということで、前述の記念館や銅像が建てられている。

空也上人ではない

 


 

市内を歩いている時にふと西の方を見ると、はるか遠くにある雪山が目に飛び込んできた。検索してみると、どうやら岐阜と滋賀の県境にある 伊吹山 っぽい。積雪どころか降雪もめったにない地域に住んでいて、雪山を見る機会なんてないのでちょっと感動してしまった。*1

 


 

青ブタ以外にも大垣を舞台にしたアニメや漫画はいくつかあるようで、市内の各所で作品が紹介されていた。大垣市はこういうコンテンツを観光や街づくりに活用することに関して、自治体レベルで積極的な姿勢を感じた。正直うらやましい……。

 

大垣市観光情報PRコーナーのショーウインドウでは 聲の形自転車屋さんの高橋くん

 

奥の細道むすびの地記念館」の入り口には聲の形(原作版)と大垣市オリジナルアニメ 「おあむ物語」 のPOP……オリジナルアニメ!?

「おあむ物語」の他にもいくつか大垣市プロデュースのアニメが作られているらしい。 すごい……。

 

記念館の館内では、聲の形の舞台のモデルになった場所が紹介されていた。「大垣のご当地作品」としては青ブタの比ではないくらい濃度が高い…。どこが舞台かなんて映画公開当時は気にしなかったけど、言われてみればここまで歩いてくる時に見たのと似た風景をアニメでも見たような気もする。聲の形が公開されたのも、もう8年前…………
え? フェルン、それは流石に嘘だよ。聲の形が公開されたのはせいぜい4~5年前だよ……。

 

JR大垣駅北口には聲の形のコラボイラスト(?)

 


 

ちょっとびっくりしたのは、駅前から続く商店街の外れにある交差点。

 

横断歩道を渡ろうと思ったら……

えっ、「自転車専用」??

 

じゃあ、どうやって渡れば……ん?

あ、この地下道を通るのか! そういえば同じような入り口が駅前の交差点にもあった気がする……(けどそちらは歩行者も普通に横断歩道を使えた)。

 

図で示されてる通り、地下でX字状に交差してるので、油断してると自分がどちらの方に進んでいるのか見失いやすい(2回通って2回とも迷った奴)。

 

この地下道にもイベントのポスターが掲示されていました

 

 

まとめ

大垣って、青春18きっぷで東京に行く時の乗換で降りたことはあったけど、改札の外に出たことはなかった。

それどころか、関西からだと「帯に短し……」みたいな距離なのもあって、大垣のみならず中部地方をちゃんと旅したことって今までなかったかもしれない(愛知県美術館に行ったことがあるくらいか…?)。

(一応)青ブタの聖地なのでいつかは行きたいと思ってたけど、優先順位は高くなかったのでかなり先になってたかもしれないし、実際に来ても劇中に登場した駅前のごく限られたエリアだけを回って終わりだった気がする。

今回こういうイベントがあって実際に来てみると「今までに来たことがなかったのが勿体なかった」と思うくらい いい街だった。

 

 

+α

2日目の昼過ぎに大垣を出発。そのまま帰宅はせず、大阪の天王寺へ。
なぜかというと、ここで 開催中の 開催されていた青ブタのコラボカフェ……え、カフェじゃない? 串かつ??
記事のアップが遅すぎて終了してしまった……(2月いっぱいの開催だった)

 

串かつ でんがな あべのルシアス店

 

串かつ でんがなの全国6店舗で開催されていたコラボイベント。 麻衣・のどか・花楓の描き下ろしイラストでの装飾、コラボメニュー注文でコースターなどの配布、コラボグッズの販売などが行われていた。

 

花楓のアップルティー。コースターをゲット

 

串かつ6本セット。これを注文するとランダムでクリアファイルがもらえるんだけど……お目当ての花楓の柄じゃなかったよ…。

 

ほかに頼んだのは(コラボメニューではない)フライドポテト。もうちょっと食べたい気持ちはあったけど、胃袋と(あとサイフと)相談して自重しました。

 

コラボメニューを注文すると、会計時にグッズの購入もできた。イベントは終了したけど、 このグッズの事後通販は受付中です(3月17日まで)。
ただ、ランダム配布だったコースターやクリアファイルは販売対象じゃないけど…。

 

*1:六甲山が冠雪することはあるかもしれないけど、普段そういう意識で見てないので…

1駅分だけ新幹線に乗る

 

JR東海が企画する大垣での青ブタのイベントが来年2月から開催予定で、そのプレキャンペーンが実施中である(12/24まで)。その内容はというと…

 

  • 期間中に東海道新幹線の車内で専用サイトにアクセスすると、スマホ用の壁紙、および後日 大垣での本イベントでクリアファイルに引き換えられるシリアルコードをゲットできる
  • 対象区間は東京駅~新大阪駅
  • スマホのセンサーで位置情報を検出・速度を測定して、一定速度に達すると「乗車中」だと判定される

 

「新幹線の乗車が必須とかなんつーイベントだよ……」と思ったが、アニメのイベントなんて大半は東京での開催だし(青ブタだと聖地である藤沢も割とあるけど)、青ブタに関しては現在 全国6ヶ所(長野・鹿児島・福岡・山梨・香川・静岡)のサービスエリアとのコラボイベント *1 という更にぶっ飛んだやつが開催中だったりもするので、「自分の居住地から(時間的・経済的に)無理せず日帰りで参加できるのはむしろラッキーなのかも……?」と考え直して、参加してみることにした。

 

で、検討した結果、いちばん安価&手っ取り早いのが「在来線で新大阪まで行き、そこから京都まで1駅分だけ新幹線に乗る」(帰りは京都から在来線で)というプランだった。
(個人的にはもうちょっと西の駅まで対象にしてくれたらありがたかったんだけど…。まあJR東海の企画だししゃーない)

 

ただ、ひとつ不安だったのは「新大阪~京都の1駅分、距離にして40~50kmほど、乗車時間にして13~14分程度で、今回のイベントの乗車判定をクリアする『一定速度』に達するのか…?」という点。こればっかりは実際に乗って試してみるしかない……。

 

新大阪駅

決行したのは昨日 12/9 (土)。
映画を観に来ていた三宮から在来線で新大阪に向かう。

 

14:20 到着

 

14:23 駅ナカ

 

14:24 新幹線改札前に到着

 

14:25〜27 スマートEXアプリで自由席を予約

 

14:31 今からだと……14:39発ののぞみか?

 

14:33 27番ホーム

 

14:34 もう来てた(実はさっきの写真の時点で既に)。自由席は1~3号車


新幹線車内

14:35 乗車。ドキドキ……

 

14:39 発車! サイトにアクセスする…

 

14:39 測定開始

 

14:39 速度に応じてメーターの針が動く演出が

 

14:42 はやく……はやく……(焦)

 

14:42 !!!(針の角度が90度くらいになると自動的にこの画面に切り替わった)

 

14:42 あ、アンケート…!?(焦ってたのですごいテキトーに回答してしまった…)

 

14:43 壁紙ゲット!

 

14:43 今度はシリアルコードの方……

 

14:43 ……だけど今回は一瞬で終わった。乗車確認の時刻表示を見ると、前回の測定結果でパスしてるのかもしれない

 

14:51 無事ミッション達成できてホッとした……。写真は東寺の五重塔……でいいのか?

 

14:52 そろそろ降ります

 

京都駅

14:55 降りました

 

14:54 時系列が前後したけど有名なアレ(未購入)

 

14:58 駅構内。15:00発の新快速に乗りたいので焦っている…(ので在来線ホームでの写真はなし)

 

まとめ

  • 心配してた「一定速度」には発車後 3分程度で到達。京都駅に到着するまで 13分くらいだったから、振り返ってみれば全然焦る必要はなかった。こんなことならアンケート、ちゃんと回答すればよかったな~……。
  • ただ、サイトで明言されてる東京~新横浜間(というかその間に品川もあるけど)とか『一定速度に達しない場合など、一部ダウンロードができない区間』もあるそうなので、これから参加しようと思ってる人は注意してください!
    • 駅間の距離を見てみると、熱海~三島間(乗車時間 7分)とか、三島~新富士間(8~9分)とかも微妙かもしれない……??
    • あと、通信が不安定だと測定できない可能性もあるそうなので、乗車したらまず Shinkansen_Free_Wi-Fi に接続しておいた方がいいかもしれない。
      自分は普通に使えたけど、ブコメによるとあんまり評判が良くないみたいなのでやめた方がいいかもしれない……?
  • さて、次は大垣。青ブタにちょっとだけ登場する場所なのでいずれ行きたいとは思ってたけど、2月か3月に行くことが決定してしまったぜ……。
  • (12/13 追記) ブコメで知ったけど、「推し旅」の新幹線車内限定コンテンツ、青ブタ以外の作品とのコラボでも実施されてたのか。JRでないとできない企画だなー…。

 

 

*1:登場人物たちの苗字がサービスエリアの名前から取られているので

【青ブタ】ランドセルガールを観ました

12月1日に公開された劇場用アニメ『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』を観た。現時点で2回鑑賞(12/1 と 12/2)。

 

原作小説は何ヶ月も前に購入してるけど、敢えて読んでなかった。近々読み始めると思うけど、読んでしまうと(これまでの青ブタシリーズでそうだったように)アニメの方の印象も変わってしまう気がするので、現時点での感想を書き留めておく。

 

※以下、ネタバレを含みます(クリックで展開)

 

 

あらすじ的なもの

(記憶を頼りに書いてるので間違いがあるかもしれない…。気づいたらその都度修正します)

 

3月。主人公・梓川あずさがわ咲太さくたの妹、花楓(かえで)の記憶が回復して数ヶ月。心配されていた彼女の進路も決まり、咲太は久々に穏やかな日々を過ごしていた。

 

そんなある日、父から連絡が入る。

「母さんが『花楓に会いたい』と言っている」

2年前、いじめをきっかけに不登校に、そして記憶を失って解離性同一性障害になってしまった花楓を受け容れきれず、自らも心を病んで入院してしまった母。父はそんな妻を看病するために子供たちとは別居し、咲太と花楓は2人で暮らしていた。

 

数日後、咲太と花楓は電車に乗って父が暮らす社宅に向かった。緊張しつつ家に上がり、母に歩み寄る花楓。二人はお互いに涙を流し、2年ぶりの再開を果たす。

その日は家族4人で団欒の時を過ごし、夜には食卓を囲んだ。母は「今日は泊まっていけばいいじゃない」と言うが、翌日も学校がある咲太は、花楓を残し一人で帰宅する。

 

翌朝。いつものように登校した咲太が、自らの身に起きている異常に気付くのに時間はかからなかった。

教師にもクラスメイトにも咲太の声が聞こえず、姿も見えていない。それどころか、最初からそんな人間はこのクラスに存在していなかったかのように振る舞っている。学校中の教室のドアを片っ端から開けて回ったが、誰一人として咲太の存在に気付くものはいない。

……咲太は、かつてこれと同じ状況を経験していた。それは1年近く前、恋人である桜島麻衣の身に起きた「思春期症候群」に酷似していた。

 

昨日までと今日とでなにか変わったことと言えば……そうだ、母に会いに行ったことだ。咲太は学校を抜け出し、再び母のもとへ向かう。

父の社宅まであと少し……というところで、ちょうど買い物に出かける母と花楓に出会った。……が、2人はやはり咲太の存在に気づかない。談笑しながら、咲太のすぐ横を通り過ぎてしまった。

 

途方に暮れ、夜の七里ヶ浜海岸に立ち尽くす咲太。するとそこに、ランドセルを背負った、幼い頃の桜島麻衣によく似た少女が現れる。

「おじさん、迷子?」

咲太はなすがままに、少女に手を引かれて、目的地もわからぬまま電車に乗り込んだ。そして……。

 

「お兄ちゃん、朝だよ!」

花楓の声で目が覚める。咲太はいつの間にか自宅のベッドの上にいた。……が、なにか違和感がある。キッチンへ向かうと母が作った朝食がテーブルの上に並び、父も座っていた。

そこは、咲太が起こした行動によって花楓のいじめ問題が解決し、花楓は不登校にも解離性同一性障害にもならず、そして母も心を病むことはなく、親子が離れて暮らすこともなかった「もうひとつの可能性の世界」だった。

 

 

感想

なんていうか……いろいろ釈然としない……。

 

なぜ咲太がこんな目に遭わなくてはならないのか

これまでの青ブタシリーズは「各章のヒロインに起こった思春期症候群(『思春期特有の不安定な心が引き起こす不可解な現象』を指す、青ブタ独自の用語)に巻き込まれた咲太が、それを解決するために奔走する」という流れがお決まりであった(例外となるエピソードも割とあるが…)。

今作ではそれまでと違い、咲太自身の身に思春期症候群が降りかかる*1

咲太は「母に会いに行った日、半日も一緒に過ごしたのに一度も目が合わなかった、一度も直接言葉を交わさなかった、一度も名前を呼んでもらえなかった。なのに、その違和感にすぐには気付かなかった」こと、そして「この2年の間、母のことを忘れていた、考えないようにしていた」ことが原因なのだと考えた。

 

もし本当に、そのことを思春期症候群を引き起こすほど気に病んだのだとしたら、あまりにも自罰的すぎるよ、咲太……。だって……しょうがなかったじゃん……。咲太はこの2年の間、『かえで』と向き合ってあげなくちゃならなかったんだから……。

 

2年前、家族や友人についての一切の記憶をなくしてしまった『花楓』の身体に生まれた新たな人格、『かえで』。性格も、口調も、利き手さえ変わってしまった娘に両親は戸惑い、「ゆっくりでいいから良くなってくれ」と言葉をかける。もし我が子の身に同じ事が起きたら、『花楓』の両親でなくとも同じように戸惑い、似たような言葉をかけるかもしれない。だが、それは『かえで』にとっては「今のお前は『良くない』」「『元のお前』に戻ってくれ」という、拒絶の言葉にほかならなかった。

 

咲太も当初は両親と同じように戸惑い、別人のようになってしまった妹とどう接すればいいのか悩んだ。しかし、それまでの『花楓』としてではなく、いま目の前にいる『かえで』をひとりの人格だと認めて、彼女の「お兄ちゃん」になろうと決めた。こうして咲太は『かえで』にとって世界でただ一人の理解者になり、『かえで』にとって「咲太の妹であること」が自らの存在理由となった。

 

一方、会社員の父や中学生の咲太とは違い、専業主婦である母は日中も家にいて、一日の時間の大半を不登校『かえで』と過ごした。その結果、精神的に疲弊してしまい、ついには心を病んで入院することになってしまう。妻に付き添うため、父は子供たちとは別居することになった。こうして咲太と『かえで』、二人で暮らす新しい生活が始まった。

 

生まれ育った横浜から、進学した咲太の高校に近い藤沢の街に引っ越した二人。咲太は、不慣れながらも炊事、洗濯、掃除、買い物、その他一切の家事をこなし、家計を助けるためにバイトを始め、もちろん毎日学校にも通った。家から外に出られない『かえで』のために彼女の服、下着、さらには(店員に白い目で見られながらも)生理用品まで買いに行った。読書好きの『かえで』のために図書館まで本を借りに行き、髪が伸びてくれば拙いながらも切り揃えてやった。

 

……こんな毎日を過ごす中で「母の存在を忘れていた、考えないようにしていた」からって、一体誰が責めるっていうんだよ……。『かえで』と二人で過ごす毎日の中で、『かえで』を拒絶した母親のことも考えなければならなかったというのか……?

 

もしこの2年の間、一度も母親の見舞いに……会いに行かなかったのだとしたら、確かにそれは薄情だったかもしれない。

……でも、会いに行って、咲太はどうすればいいんだ? 『花楓』もきっと、そのうち良くなるよ」……みたいな、「お兄ちゃん」である自分を頼って、彼女なりに毎日を必死に生きている『かえで』を裏切るような言葉をかけなければいけないのか……?

(もちろん咲太だって、『花楓』に帰ってきてほしくないわけではなかった。『花楓』『かえで』、彼にとってはどちらも大切な妹だ。記憶が戻り、『花楓』が帰ってくれば、恐らく『かえで』は消えてしまう……。咲太にとっては、そんなジレンマに苛まれた2年間でもあった)

 

それに、そもそも「2年の間、母親のことを考えないようにしていた」というのも事実とは違う。原作小説1巻(バニーガール先輩)にはこう書かれている。

 

「お母さんのこと、恨んでない?」
「そりゃ、恨みましたよ」
 さらっと咲太は本音で答えた。
「親なんだから助けてくれて当たり前だろって思ったし、僕やかえでのことを信じてくれよって思いました」
 けれど、離れて暮らすようになってわかったこともある。たとえば、母親は毎日家で、家族の食事を作って、洗濯をして、風呂やトイレを掃除して、色々な面倒を一手に引き受けてくれていたのだ。それを当たり前のことだと、一緒に暮らしていた頃の咲太は思っていた。
  全部自分でやらなければならなくなって、気づいたことはある。変わったことはある。些細なところで言えば、トイレは座ってするようになった。
 たぶん、母親だって色々と我慢していたことがあったんだと思う。家族に気づいてほしいことだってあったんだと思う。だけど、咲太の前では一言も口に出さなかった。顔にだって出さなかった。「ありがとう」のひとつも要求してこなかった。
  そうした日々の感謝を返せなかったことを考えれば、恨むのも筋違いな気がする。この一年で、咲太はそう思えるようになった。

 

こういう感謝の言葉とか、「元気になってよかった」みたいな言葉を、母に会いに行った日に直接伝えるべきだった……と言えば、そうかもしれないけどさ……。

 

あと、「目が合わなかった」とか「名前を呼んでもらえなかった」って、咲太じゃなくて母親の方の行動じゃん……。なんで咲太が自分を責めなくちゃいけないんだよ……。梓川家みたいなすごく複雑な事情がなくても、たとえ家族でも長い間 顔を合わせてなければ多少のぎこちなさがあってもおかしくないし、再び一緒に暮らすようになれば、それは少しずつ解消されてゆくものだよ……。

 

思春期症候群について

今作で咲太が体験した思春期症候群は2つ。

 

  1. 他の人間から姿が見えず、声も聞こえなくなり、自分の存在がまるで世界から消失したようになってしまう。
  2. 「ランドセルガール」に連れられて「もうひとつの可能性の世界」に行き、そして帰ってきた。

 

ひとつ目の方は、「あらすじ的なもの」でも書いたとおり、桜島麻衣がかつて経験したものに酷似している。朝ドラに主演した子役時代から国民的な知名度を誇る女優でもある彼女は「誰も自分のことを知らない世界に行きたい」と願い、それが形を変えて実現してしまった。また、麻衣の妹・豊浜のどかの場合は優秀な姉に憧れ、それが転じてコンプレックスになり、「姉妹の姿が入れ替わってしまう」という思春期症候群が発症した。

このように、これまでの青ブタシリーズでは「それぞれが抱える悩み」「思春期症候群が引き起こす現象」に関連性が見られた。だが、母親との関係に悩んでいた咲太が体験した思春期症候群が麻衣のものとほぼ同じだったというのは、これまでの不文律から逸脱している。咲太は「母親とどう接すればいいか」ということに悩んでいたのだから、「すべての人間から」ではなく、母親、あるいは家族(両親と花楓)からは認識されなくなる……だったらまだ納得できたかもしれない。

 

ふたつ目の方については、そもそも「ランドセルガール」は何者なのか? なぜ子役時代の麻衣と同じ姿をした少女が咲太の前に現れ、「もうひとつの可能性の世界」へといざなったのか? 彼女は咲太の思春期症候群ではなく、なにか別の要因によって現れたのではないのか? ……などなど、ひとつ目の方以上に謎が多い(今後のシリーズで明らかにされるのだろうか…?)。

 

その他いろいろ

  • 「もうひとつの可能性の世界」で咲太が教室に入ったときのカットで、上里が露骨にイヤそうな顔でこっちを睨んでてワロタ
  • 咲太の家のDVDプレーヤーのリモコン、なんかすごく見覚えがあるけど、もしかして……と思い2回目の鑑賞で注意して見たら、やっぱりPS3のリモコンだった(旧型新型かまでは確認し損ねた テンキーが丸ボタンだったので新型っぽい)。スマホも持ってないし、部活もしてないし、趣味らしい趣味もなさそうだし、浮世離れし過ぎなのでは……と少し心配してたのだが、息抜きにゲームで遊んだりはしてるのかも…?と思うと少し安心した。思えばTVシリーズの回想シーンではPS1で遊んでたし、今作の「もうひとつの可能性の世界」の自室にもPS1はあったし、人並みにゲームは好きだったのかもしれない。
  • エンドロールの「絵コンテ」欄に、増井壮一監督と並んで「片瀬山」という名前があったが、誰かの変名なのだろうか? 青ブタの舞台である藤沢市同名の地名があったり、隣接する鎌倉市同名の湘南モノレールの駅があったりするけど……?
  • 同じくエンドロールの「協力」欄にあった「有限会社マーロウ」。なにかと思ったら、咲太と花楓がおみやげに買って行ったプリンのメーカーなのか。次に藤沢に行くことがあったら買ってこよう(いつになるやら…)。

 

 

追記(2023/12/09 (土))

3回目を観に行った。2回目から1週間あけて、その間にいろいろ考えたりそれをブログにまとめたりしたせいもあってか、わりと自分の中で消化できた気がする。

 

今回の思春期症候群は上で書いた2つ(あと、その前兆のように咲太のへそ付近に新たに出現した傷跡)だけなのかと思ってたが、「両親と離れて暮らすうちに、咲太は次第に母のことを考えなくなる → その咲太の内心にシンクロして、母も咲太のことを考えなくなり、母の中から咲太の存在が消えてしまうというものも起こっていた……ってことなのかな。つまり今作「ランドセルガール」の物語が始まるずっと前から、既に思春期症候群は始まっていた、と。

だから母が父に伝えた言葉は(「花楓と咲太に会いたい」ではなく)「花楓に会いたい」だったし、再会の日に咲太と目が合わなかった、咲太の名前を呼ばなかったのも、思春期症候群によって、既にこの時点で咲太の存在を認識できなくなっていたから……。

のどかの思春期症候群のように「発症した本人だけではなく、強いつながりを持つ人物にも影響を与えてしまう」という例はあったし、この症状はまだ納得できる。……ただ、「母親から認識されなくなる」「この世界の誰からも認識されなくなる」に悪化してしまったのは、やはり釈然としないが……。

 

「咲太のことを認識できなくなったのは、『咲太の思春期症候群』ではなく『母親の思春期症候群』なのではないか…?」とも考えたが、本作のラストシーンで、咲太が母親の前で感謝の言葉を述べることで症状が解消されたことを考えると、やはりこれは『咲太の思春期症候群』なのだろう。
(あと、名前が『思春期症候群』だし……。明確に定義された言葉ではないから、この名前がミスリードであるという可能性もないことはないが……)

 

 

*1:咲太の胸に突如 原因不明の大きな傷ができる……ということはあったが、これは牧之原翔子の思春期症候群に付随して起きた事象だった

藤沢(とか)に行ってきました【青ブタ聖地巡礼】

 

聖地巡礼」って、自分には縁がないと思ってた。

そういう話題を目にしても「ふーん、世間には熱心なファンがいるんだな~」と完全に他人事だったし、そんなお金や時間があるなら本とかCDとか形が残るものに使った方が……というタイプだった。

でも「おでかけシスター」から青ブタにハマってアニメを何周もしてるうちに、漠然と「藤沢に行ってみたいな…」と思うようになり、ストリートビューを見たり、物語の舞台になった場所を調べてリストアップしたりしていた。

「でも、行けるとしても当分 先の話かな……休みも取れないし……

 

……と思ってたら、突然 長期の休みが取れることになった!!!(※辞めたとかクビになったとかではない)

このチャンスを逃したら次はいつ行けるか分からない……!と、急いで準備をして旅立ったのであった。

 

  • 日程は 9月 7日(木) ~ 11日(月)。
    「○日目はあそことあそこに行って…」と事前にある程度の予定は立てつつ、進捗を見ながら現地で適当に変更できるように……ということで、余裕を持って 4泊5日にした。
  • 既存の聖地巡礼ブログとかまとめサイトとかは極力見ないようにした(参考にさせていただいた いくつかのサイトやツイートは脚注にリンクを貼っています)

 


1日目

 

JR藤沢駅

早朝に家を出て午前中に着いた。アニメで見たのと同じ景色だ……と頭では分かっているが、どこか現実感がない。奇妙な感覚……(旅行自体がかなり久しぶりだからテンションがおかしいのかもしれない)。

出発前は「アニメと同じアングルで写真撮影」みたいのは やんなくていいかな~と思ってたけど、現地に行くとやりたくなるもんですね……。

駅舎外観(北口側)

あんまりたくさん貼ると重くなっちゃうんで、以降 画像は一部を除いて緑リンクで飛んだ先にあります。
(あと、同じ場所に複数回行ってたりするんで撮影日時はバラバラです)

 

藤沢駅周辺

 

柳通りの交差点

柳通りと遊行通りの交差点。TVシリーズでも何回か登場したけど、「おでかけシスター」の終盤で咲太が鹿野さんを駅まで見送りに行くシーンの印象が強い。

 

この交差点から遊行通りを北に少し歩くと……

本屋の前にのどかと卯月がいた!!
大興奮。こんな街なかに普通に青ブタののぼりが立ってるなんて……!

この時は写真撮っただけだけど、せっかくなので後ほど再訪して青ブタの原作小説を買いました(全巻持ってるけど)。昔ながらの「町の本屋さん」という感じだけど各種電子マネーは使えた。

ジュンク堂と違ってこの本屋さん(文華堂)は青ブタに登場しないけど、通学路のすぐ近くだし、咲太や麻衣さんが訪れててもおかしくないよな……(妄想)

 

蔵まえギャラリー

TVシリーズ 第4話で咲太と古賀がバイトの帰りに歩きながら話してたシーンに登場。

 

御所ヶ谷橋

咲太や麻衣さんの通学路にあたるので何回も登場する橋。
「ごしょがだに」かと思ってたら「ごしょがや」だった…。(そういえば西日本は「たに」で東日本は「や」なんだっけか)

 

御所ヶ谷公園

咲太と古賀が尻を蹴り合った公園。ジャングルジム(?)の形とカラーリングが特徴的。ここも何度も登場する。

 

藤が丘団地周辺

咲太や麻衣さんの自宅マンションがある(と思われる)団地。
本当にごく普通の住宅街なので、ご迷惑にならないように…。

 

藤沢市民病院

熱中症で倒れた咲太が運ばれたり、同じく倒れたかえでが運ばれたり、記憶が戻った花楓が入院したり、牧之原さんが長期入院してたり……と青ブタではおなじみの病院(アニメでは「藤沢総合市民病院」)。

 

デニーズ 藤沢北口店

咲太のバイト先のファミレス(アニメでは「Benny's」)。

三大「関西人が『名前は聞いたことあるけど行ったことはない』外食チェーン」、……それはジョナサン日高屋、そしてデニーズ *2※諸説あります

 

「おでかけシスター」で花楓が食べてたオムライス……!

6月に「おでかけシスター」を観て感動して、漠然と「いつかは藤沢に行きたい、そして藤沢のデニーズでオムライスを食べたい」と思い始めた。……のだが、調べてみると今年の3月から(卵の供給不足の影響からか)オムライスの販売は休止していた。

まあ実際に行けるのはいつになるかわかんないし、その時に復活してればいいか……と思っていたら、突然の長期休暇。そして、デニーズのオムライス復活というニュースまで! でもオムライスは 8/29~9/11の期間限定……!? ということで、出発を急いだ理由のひとつがこのオムライスなのであった。

……が、期間終了後も普通に販売されている……。どうやら「期間限定」なのは「お得な特別セット」で、その後はオムライス単品での販売に切り替える、ということだった模様。

 

ダイエー 藤沢店

TVシリーズ 第2話 冒頭で咲太と麻衣さんが買い物をしていたスーパー。
アニメには店の外観は出てこないが、コミカライズ版で描かれた外観とレジ袋のデザイン、それに原作小説での『十一時まで営業している』という記述から恐らくここだと思われる。

 

ビックカメラ 藤沢店

 

ジュンク堂書店 藤沢店

上記 第7話で店内が登場。そして「おでかけシスター」では花楓の部屋にある本にブックカバーがかかっていた。
そういう縁もあってか、漫画・ラノベ売り場の棚の側面で青ブタミニコーナーが展開されてた。
ここでも青ブタの原作小説を買いました。

 

江ノ電 藤沢駅

咲太が通学で毎日使ってる駅なのでここも何度も登場するけど、「おでかけシスター」で入試に向かう花楓と、それを見送りに来た咲太が別れるシーンが印象深い…。

 


2日目

 

関東地方に台風13号が接近して、前夜から強風と大雨……。行きたいところの大半が屋外なので、これは困った。
仕方がないので事前に立ててた予定を変更。雨風が弱まることを期待して出発を昼以降にずらし、行く場所も天候の影響を受けない場所だけにした(幸い、傘をささなくてもいいくらいには弱い雨になった)。

 

藤沢市総合市民図書館

小田急 湘南台駅から徒歩15分くらい。TVシリーズ 第1話 冒頭の舞台なので印象は強いが、意外にもそれ以降は登場しない。

「館内の撮影には許可が必要」ということは事前に調べて知っていた*3のだが、「館内の利用者が写り込まないように撮影しないといけない」とのこと。 撮りたい場所やアングルが決まってる場合は、時間帯とか曜日とか、利用者が少ないタイミングを狙わないと難しそうだ…。

しかも撮影の際は職員の方が1人横について、1枚撮るたびにチェックを受ける。……む、無理じゃ……。コミュ障陰キャには無理じゃ……。……ということで3枚撮った時点でギブアップ。
(職員の皆さんは慣れた様子で、嫌な顔をしたりせずに対応してくださいました。念のため…)

撮影した3枚のうちの1枚

 

小田原コロナシネマワールド

JR国府津駅から徒歩30分。小田原市にある複合娯楽施設内の映画館。
ここは青ブタには直接関係ないんだけど……

はい

地元で通ってた劇場が終映になっちゃったので……。これで12回目の鑑賞。

 


3日目

 

小田急 新宿駅~葵通り~ニューステイトメナー

「おでかけシスター」で咲太と友部さんが通信制高校の説明会に行くために通ったルート。前夜に劇場で観たのがいい予習になった*4

 

上野動物園

パンダが好きなかえでのために咲太が連れてきた動物園(アニメでは「東京動物園」)。
来るのは初めてではないけど、20年以上ぶりとかかもしれない……。上野駅の構内がすごくきれいになってて驚いた。

正門入ってすぐのところ。パンダ舎は東園から西園に移転してるけど、幸い旧パンダ舎の建物はまだ残ってた

園内をぐるっと周ってだいたいの動物は見られた。クマ、カワウソ、トラ、ハシビロコウ、サイ、コビトカバ……etc。
……けど、ぶっちゃけそれ以上に不忍池の一面のハスの葉に圧倒されてしまった。

 

横浜市立大学附属病院

記憶を失ってしまった花楓……かえでが入院していた病院(アニメでは「横浜大学院総合病院」)。

 

JR茅ヶ崎駅

「ゆめみる少女」で花楓の髪を切るために美容院に行った帰りのシーン。

 


4日目

 

テラスモール湘南

JR辻堂駅直結のショッピングモール。「おでかけシスター」でスイートバレットのライブが行われた屋外ステージがあるところ。
「アニメとおんなじだ…!」という感動を、現地でいちばん実感できたのがなぜかここだった。

スイートバレットの歌声が聴こえる……(幻聴)

 

江ノ電 鎌倉高校前駅

TVシリーズ 第9話・第10話でCM撮影が行われた駅、なんだけど…。

人が…人が多い…! ここに来るまでの藤沢駅江ノ電の車内の時点で既に多かったんだけど、曜日の選択を間違えたかしれない……(この日は日曜日)。
国道134号側から駅のホームを撮りたかったけど、断念。改札を出ず、そのまま次の目的地に向かうことにした。

 

江ノ電 七里ヶ浜駅

咲太たちが通う峰ヶ原高校……のモデルになった七里ガ浜高校の最寄り駅。

 

七里ヶ浜駅周辺

町内会館の前にも花楓がいました

 

七里ヶ浜海岸

高校からすぐの海岸。青ブタでは「登場人物たちがそれぞれの心情を吐露する場所」という印象がある。

9月になったとは言えまだまだ残暑は厳しく、また曜日のせいもあってかここも賑わっていた。

砂が……黒い……(アニメだともっと白いイメージがあった)

 

川崎チネチッタ

川崎駅近くのショッピングモール内にある映画館。

『ふつうの軽音部』で、はとちゃんがバンドの名前にした「ラチッタデッラ」ってここのことか~

例によって青ブタと直接関係ある場所ではないけど……。

13回目や

 


5日目

 

2日目の台風で遅れた予定を取り戻そうと頑張ったせいか、4日目までで予定を全部消化してしまい、最終日がまるまる空いてしまった……。
急遽、「時間的に難しいかな~」と出発前に予定から外していた江の島方面に行くことに。

 

小田急 本鵠沼駅

TVシリーズ 第8話で双葉の家の最寄り駅として登場。

 

小田急 鵠沼海岸駅

同じく第8話、花火大会を見るためにここで待ち合わせた。

 

小田急 片瀬江ノ島駅

江の島や新江ノ島水族館の最寄り駅。

……あれ??

駅舎のデザインがアニメと全然違う……?
その場でググってみると、2019~2020年に工事をしてリニューアルされたらしい(青ブタのTVシリーズは2018年放送)。
(2022年制作の『ぼっち・ざ・ろっく!』には現在の姿で登場してた)

 

江の島周辺

 

江の島

言わずと知れた観光名所。TVシリーズ 第6話で咲太と古賀がデートした場所。

対岸からの姿

 

新江ノ島水族館

クラゲ推しの水族館……というか、今では珍しくなくなったクラゲの展示はこの水族館が先駆けだったらしい。
青ブタでは麻衣さんが自らの思春期症候群に気づくきっかけになったり、咲太と古賀がデートをしたりした場所。

巨大な屋根を見上げるアングル

 


 

江の島と水族館を見て回り、追加の予定も終了。
この時点でまだ昼前だけど、帰りの新幹線は夜。時間的には相当余裕があるので、さらに予定を追加することもできなくはなかったけど、体の負担を考えて断念。

藤沢で昼食を食べたあと新横浜駅に向かって、待合室のベンチで軽くうとうとしたり、dアニメストアを観たりして 7時間 暇をつぶした…。

 


戦利品

 

鳩サブレー

鎌倉銘菓……らしい。三大「関西人が『名前は聞いたことあるけど食べたことはない』お菓子」、ナボナ鳩サブレー、あとひとつは?

青ブタでは双葉編で鎌倉まで行った咲太が買ってきたり、「おでかけシスター」で進路相談の際のお茶請けとして出てきたりする。
そしてのどか編では容器の缶がキーアイテムとして登場。

TVシリーズ 第10話より

原作小説だと『三十六枚入り』と書かれてたけど、廃番になっちゃったみたいなので現行のラインナップでそれに近い34枚入り缶を購入。

……あれ?

……でかくね?(買ってから気づく)
作画や演出の都合からか、アニメだと設定が違うみたい……。
ということで、アニメ版と見た目が似たサイズの缶を追加購入。

16枚入り缶

味はあっさりしてて、バターの香ばしい香りが鼻に抜けておいしい。
飽きのこない味……だけど、計50枚。毎日食べてるけど、まだなくならない……。

 

上野動物園の年間パスポート

入園する際には普通の入場券を買って、これは一旦退園してから購入した。できれば無記名で持って帰りたかったけど、購入時に記入しないといけないんだね…。
有効期限中に行くことは多分ないので元は取れないけど……寄付をしたとでも思えばヨシ!

 

パンダのぬいぐるみ

アニメではカットされたけど、原作小説に「上野動物園に行った咲太とかえでがお土産にパンダのぬいぐるみを買って帰る」というエピソードがあったので。
『動物園の二頭にちなんでぬいぐるみも二頭だ。』*6と書かれてるのだけど、これが2体セットでリーズナブルだった。

 


まとめ

歩いた。とにかく歩いた
アプリの記録を見ると 5日間で 12万歩くらい。そんなに体力がある方ではないし疲労も溜まっていたはずだけど、それでも不思議と足は動いた。帰宅後に反動は来たけど……。
完全キャッシュレス
ホテルは Yahoo!トラベルで予約時に決済済みだし、新幹線はスマートEXアプリでチケットレス。移動は全部 Googleウォレットの Suicaで、買い物は iD か QUICPay。唯一物理クレカを使ったのは百貨店で鳩サブレーを買ったときだけ。念のためにいくらか下ろしておいた現金を使うことはなかった。便利な世の中だ…。
モバイルバッテリーはそんなにいらなかった
何個か持ってるのを全部持って行ったけど、使ったのは Ankerの10000mAhのやつ 1個だけ。あと普段使ってるスマホとは別に、前に使ってたのをサブとして持って行った(回線は1GB/月・前月分の繰越があって2GB弱くらい)。メインのバッテリー残量が少なくなったら充電して、その間はサブの方を使い、ホテルではモバイルバッテリー自体も充電する……という運用でなんとかなった。
伊藤園の自販機 多くね……?
藤沢の街を歩いてると、やけに伊藤園の自販機が目についた。確かビックカメラの店内にもあったはず。自分の行動圏内にももちろん存在はするけど、こんなに多くはない気がする……。
気になってググったら『自販機台数を減らす戦略を取っている伊藤園(20万台)は、優良エリアや好採算エリアへの設置に限ることで効率を上げています』と書いてるページを見つけたけど、その影響なんだろうか……?

 


 

『1日目』の冒頭でも書いたけど、行く前は「現地に行くと『自分がアニメの中の世界にいる』みたいな感覚になるのかな…」と思ってたけど、それはあんまりなかった。……現地では。

自分の場合、それとは逆に「行ったあとでアニメを観ると『自分が知ってる場所がアニメの中の世界にある』という感覚になった」

この感覚に気づいたのは2日目の夜に映画館で「おでかけシスター」を観てる時。「あっ、ここ、昨日行って歩いたところだ…! この場所に来るまでの道とか、カメラのフレームの外側に何があるかとか、知ってる!」という、現地に行ったときとは別の興奮があった。

家に帰ってからTVシリーズを観てみると、自分の中にやはりそれまでとは違う感覚があることに気づく。
咲太の家から藤沢駅までの通学路、バイト先のファミレスの位置、七里ヶ浜駅から高校までの距離、高校から海岸までの近さ。そういう地理、距離感、所要時間が、頭ではなく体感として解るようになった。

……『解像度が上がる』ってこういうことか~。やっぱり行ってよかった。
藤沢の街は(アニメで描かれた範囲では)だいたい見て回れたので、次があるなら今回行けなかった場所……鎌倉、鶴岡八幡宮、逗子、森戸海岸、みなとみらい、それに大垣や金沢にも行ってみたいな~。……いつの話になるかわかんないけど。

 

 

*1:こちらのサイトを参考にしました

*2:デニーズは大阪に数店舗だけあるけど…

*3:図書館の公式サイトこちらのツイートを参考にしました

*4:それと、こちらこちらのツイートを参考にしました

*5:シャーロック・ホームズの「ホームズ」は「Holmes」だけど…。

*6:作品の設定年(2014年)、および原作小説刊行時(2015年)にはリーリーとシンシンの2頭しかいなかった